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2018年3月30日金曜日

第17期雀王戦が開幕します

※全選手敬称略です

4/1(日)から第17期雀王戦が始まります。
それにあたりまず先日ツイッターでもちょっと出したクイズを。

選手皆が何よりも恐れる「降級」ですが、
協会選手にて「降級」を過去一度も経験していない選手、
新人も含めればまあそこそこの人数の該当者がいますが、これを協会在籍年数の長い順で並べると以下のランキングとなります

【降級経験0のキャリア長い人ランキング】
① ??
② ??
③ ??
④ 鈴木たろう
⑤ ??
⑥ ??

①②③⑤⑥は誰でしょう?
※再試験や人数調整助かりは残留とする。
※休場経験のある人は対象外とする

https://twitter.com/s_takenaka0821/status/978855472928260096

正解はこの記事の一番下に書いときます。
その前にちょっと、第17期、僕にとって2期目のB1リーグについて、


さて、
去年と今年を比較してちょっと色々と思うところを正直に。
去年は実は開幕前、「協会史上最強のB1」とも呼ばれていた豪華な期でした。

【第16期B1リーグ(開幕時点)】
蔵 美里(現オータムCS覇者)
鍛冶田 良一(元雀王・雀竜位)
土子 貴智
須田 良規(元雀王)
清田 力夫
渋川 難波(現日本OP覇者・元雀竜位)
千貫 陽祐
下石 戟(元オータムCS覇者)
浅井 堂岐(現チャンピオンロード覇者)
矢島 学
崎見 百合(元女流雀王・プロクイーン優勝)
五十嵐 毅(元最高位)
吉田 基成(元雀竜位・オータムCS優勝)
鈴木 健太
真田 槐
武中 進(元雀竜位)
堀 慎吾
松本 吉弘(現發王)

開幕時点で現役タイトルホルダーが4人、
タイトル獲得暦がある人が11人、
更に期中では堀慎吾が最高位戦Classicを獲得、
更に言えば鈴木・真田・松本のDリーグからストレート昇級を繰り返してきた若手組、
と見所多数だったわけで。

それに比べて今期をいえば、 正直に全体としちゃ地味な感があるw。


まあこの要因は去年が派手すぎた点、
そして対抗団体である最高位戦のB1が史上最強と言われる豪華面々であること(なんせ石橋伸洋・石井一馬・土田浩翔・あさピンとかいるわけだし)
これら比較されると厳しいとも言えるわけで^^;

が、うちだって注目選手は多数いる!
まず面々を紹介。

【第17期B1リーグ選手紹介(開幕時点)】
佐久間 弘行
鈴木 達也(元雀王)
田幸 浩
浅井 堂岐
崎見 百合(元女流雀王・元プロクイーン)
渋川 難波(元日本OP覇者・元雀竜位)
武中 進(元雀竜位)
松本 吉弘(元發王)
千貫 陽祐
蔵 美里(元オータムCS覇者)
矢島 学
真田 槐
清田 力夫
堀 良三
西村 雄一郎
松浦 裕充
鹿 健太郎
坪川 義昭
※なおこれはあくまで出場予定選手者です。開幕時に欠場などによって変更が生じる可能性があります^^;

注目の本命はやはり過去4回の雀王獲得をしており長年協会最強の一角として知られてきた中、昨年まさかの降級を喫した鈴木達也。
今年でのリベンジ、一期での返り咲きをファンも願っているに違いない。

対抗は渋川難波・松本吉弘の両名。
渋川は言わずもがなのカリスマプレイヤー、
松本は今年から麻雀界の最高峰であるRTDリーグにも出場し今や協会若手代表格の存在。今年での昇級を決めAリーグに殴り込みをかけたい気持ちは強いだろう。

まあこの3人が中心となるのはほぼ疑う余地も無い。

一方で去年に続き女性陣の蔵・崎見の奮闘にも期待が寄せられる部分があるかと。
2人ともがAリーグ経験者でもあり復帰を虎視眈々と狙っていると思われる。

・・・が、
それ以外の面子がやっぱ去年に比べると知名度も実績も低いかも^^;
それと去年は昇級による新規参戦勢に若手が多かったのに対して、今年は中堅が多いのも地味
さに拍車を(ry

15期B2昇級者16期B2昇級者
鈴木 健太12後堀 良三5前
真田 槐13前西村 雄一郎7前
武中 進2松浦 裕充10前
堀 慎吾9前鹿 健太郎11後
松本 吉弘13前坪川 義昭5前

こうして比較するとキャリア差が一目瞭然。
まあこれは去年のストレート昇級組3人がすごい、という方が正しいが^^;



とまあ、
全体的に見ると一部突出した有名プレイヤーを除くとちょっと地味感漂う今年のB1ですが、
でも僕の目から見て去年と比べても遜色がない実力を持ってるプレイヤーが多々いるのも事実。
主なとこでは

・去年僅差の大接戦でAから無念の降級となったが確かな実力を持つ佐久間
・G1タイトル獲得経験こそまだないが数々の実績を持つ若手ホープの浅井
・松本と同じくストレートB1昇級者であり年もまだ20代中盤の真田
・関西マーチャオ系列でもその実力を知られている西村
・第16期雀竜位決勝にも進出した坪川

今後の協会の中心として台頭する可能性のある人達ですね。
こう考えると今年も40半荘楽しみだ。
・・・まあ始まったら楽しむ余裕もあんまなくなるから今のうちに楽しんどこう^^;

とりあえずまずは第一節目、
冷静丁寧正確に、やってやりますか。



さて最後に、
冒頭のクイズの正解を

【正解】
各人と協会デビュー期を記載
① 木原浩一 1期
② 角谷ヨウスケ 3後
③ 金太賢 4前
④ 鈴木たろう 5前
⑤ 矢島亨 6後
⑥ 仲林圭 7前

当たり前といえば当たり前かもですが、全員現役Aリーガー。
んで協会創立当初からの皆勤出場者で唯一降級経験が無いのは木原浩一のみ。大記録。
※昨年度までは鈴木達也、伊達直樹の両名もこれに該当してましたが、彼らの記録はストップとなった為。

ついでに参考までに、
1期から5後期までにリーグ戦デビューした人で降級経験1回の面々は以下の通り
・伊達直樹 1期(休場)
・阿賀寿直 1期
・鈴木達也 1期
・須田良規 1期
・橘哲也 3期後
・宮崎和樹 3期後
・武中進 2期

私だけが唯一のAリーグ未経験です!w

木原さんの記録がはたして今年も継続となるか、
これは今年の協会Aリーグの見どころの一つですかね。
Aリーグについては誰かが記事書くと思うので僕は割愛!
でも僕の本命はやっぱりたろうさんと木原さん!

2018年3月28日水曜日

「読み」という技術に対する考え方のトレンド推移

読みという技術はどうしても曖昧さをはらむスキルであるのは否めない。
まず「相手が自分とある程度は近い思考での手牌進行をしている」という前提がある以上、
そこが崩れてしまうと役に立たないケースが出てくる。

実際のフリー雀荘とかで、
捨て牌読みをした結果、逆にトンデモ手筋につかまる、というケースは僕も何度も経験したことはあるわけで・・・^^;
放銃した瞬間に「何だそりゃ(ーー;)」となるわけである。

そしてそれよりも前段階の前提として(以前にも書いたが)、
麻雀には現在の点数状況や自分の手牌といった絶対的な情報がある以上、
こっちに基づいた正確な進行ができるスキルをまずは磨いた方が、目先の勝率アップがされるケースは多い。(フリーやネットは不特定多数の人たちが相手という点も大きい)

ぶっちゃけた話、
フリー雀荘でゲーム代を抜きにしてのプラス実現、というレベルであれば、
読みなんてせいぜいリーチの有無や仕掛けの数の確認程度、つまり手出しツツモ切りはオール無視でも実現可能だと僕は思ってたりする。
それ位に「読み」という技術は根幹があいまいで効果も時と場合による、難しいスキルなのだ。
逆に言えばトータル勝ち負けにおいて目に見える明確な情報はすごい効果的なのである。


だからこそ10数年前「科学する麻雀」の初版が出た時、
「手出し・ツモ切りは見る必要がない」という内容がそこには挙げられていたし、
当時のプロの間でもそれを無視するトレンドが実際にあった。

が、現在はその考えはほぼ否定されている。
当時木原さんが本に対するコメントにて、科学する麻雀のこの読み否定部分について、
「この本は科学する麻雀というより科学する東風荘、というスタンス」という意見、
「しっかりと相手の手順を追えば見えてくる情報はあるし、多少裏目を引く可能性はあれどトータルでは得する。だから読む」、という考えを述べていた。
2018年現在はこの考え方が主流ではなかろうか。

そして個人的にはそんな時代を生きてきたからこそ、
渋川難波の出現は当初かなりの意外性が僕の中にあった。
「全力で読みを否定していた時代のあるネット麻雀からここまで読み・それを基にした守備の重要性を解いて、ここまで説得力のある技術として理論だてる人が出てきたのかと」
小倉・仲林に並ぶ天才としての印象を僕が彼に受けた最たる理由はそこである。

とはいっても渋川はあくまで特別で、
以前に以下記事でも書いたように「制限時間」「曖昧事象の削除」というネット麻雀の特性も考えると、「結局あまり読みに深入りしないのがネットにおける打ち手や若手」というイメージは今でもある。

https://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/11/2.html

が昨日に協会のネット麻雀番組の解説を久々にやってちょっとその印象が変わった。
まあ松本はもともとネットよりもリアルを主戦場としているプレイヤーゆえに、結構「相手の速度感」とかの読みに合わせたプレーをしている局があった。


これは想定内だったのだが、
天鳳プレイヤーとして有名な「秋田のにんにく」さん、
そして若手の小早川君、リアルも天鳳も多数やってる近藤千雄、
このいずれもが「読みを排除したばっさりした進行」というのをほとんどしてなかった事が結構意外だったわけである。

アナログな読みを前提としたプッシュとかが多々あって、
近年のネット麻雀プレイヤーとか若手に対するイメージがちょっと変わった一日だった。
これだから今まで見たことない人の麻雀って見ると面白い。

ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv311887714
Fresh! https://freshlive.tv/npm2001/198372

まあ最後に改めて、
昨日の対局見てもう一つ思ったのだが「読みって難しい」という点。
「読む」って行為は、
「言い訳を考える」って行為に近い部分もあったりする。

今から切る牌、多少の危険度はある
→ でも切りたい
→ 切れそうな理由 = 自分に都合の良い情報を考える
という行為にもなりかねない。

そんな中でできる限り情報を正確に拾って、
色々な可能性を考え、
自分の一打に落とし込む。
でもそれがどれ位勝ち負けに影響を及ぼすのか、かえって悪影響を起こしてしまわないか、という怖さもあり。
「読めないならば読まないほうがマシ」という中級者向け理論もこういう根幹に基づいている。

数年前にとある有名プロがこんな事言ってた。
「競技選手は麻雀についてお互いの知識と信念にもとづいた手順をできる限り正確に踏むべき。
そして相手は全力でそれを読む。
そういった正確な手順と正確な読みの応酬がどんどん当たり前になれば、麻雀は多少なりとも今よりも”実力のゲーム”に近づくんじゃないだろうか?
少なくとも僕はそう思ってるし、その考えが広まってほしいと願ってる」

これは賛同する部分があって、
僕を含めた多くの選手が「読み」を続ける理由の一つなのかもしれない、と思ってたりもする訳です。
・・・まあ改めて考えると僕って多分読みをそんなに多用するタイプの打ち手じゃないですけどね^^;

2018年3月26日月曜日

今年度の日本オープン決勝見てて色々思ったことを

※記事内は基本的に全選手敬称略です。

今年度の第16回日本オープンは魚谷侑未選手(日本プロ麻雀連盟)が優勝。
日本オープン史上初の女性プロの戴冠となった。

https://twitter.com/ClubNPM/status/977882332131614722

ちなみに同タイトルにて女性が決勝進出したのは史上5人目、他は以下の通り。
・第1回の横山明香(協会)
・第7回の芳賀常代(一般)
・第10回の日向藍子(最高位戦)
・第13回の浅見真紀(最高位戦)

そして競技麻雀界史上で女性が男女混合G1級タイトル取ったのも、清水香織・二階堂瑠美・佐月麻理子に続く4人目の快挙。
しかも彼女が既に女流桜花だけでなくモンドや鳳凰位でのA2リーグ昇級等の実績を残している事を考えると、女流というくくりすらも最早不要に思えてきてしまう快挙である。

ただまあ道中、特に最終戦はなんとも緊迫した展開と難しい選択の数々だった。
というかそもそも「目下2着目の渋川に手が入らなければ大体は楽勝の展開」って中で渋川に手が入る、
今年度の夕刊フジ杯での水口 VS 塚田の様に、こういう展開って観てる人には楽しいけどやってる側(特に暫定トップ目の立場)としちゃさぞかし「なんでよりにもよって・・・」と胃がキリキリした事だろう^^;

観てても悩ましかったのが優勝コメント時に本人も言ってた最終戦の東4局、
6巡目にて以下聴牌
五六七④⑤⑥⑦⑦34567 ドラ五



フリー雀荘だったら100回やったら101回リーチであろう手牌と局面、だがタイトル戦決勝最終半荘となると悩ましい。
まず100P差というのが要因の一つで、
もうちょっとポイントに余裕が無い=60P位差とかだったら迷わずリーチできるだろうし、
逆に凄い余裕がある=150P位差とかだったら文句無くダマで徹底した地雷回避をするだろう。

5800という打点も悩ましい。これが2900ならもうリーチするだろうが、5800となるとこのままあがれば優勝がほぼ決定に見える点数にも思える。が、タイトル戦最終半荘が異常なまでの長丁場になるケースを見越して12000以上をあがっておいた方が良い様にも見える。
でもリーチによって地雷を踏んでしまう恐怖がやはりあるわけで。
ワイプに抜かれる本人の悶絶の表情の通り、色々と悩ましい。
※そういえば鈴木たろうが、タイトル戦最終盤が通常の麻雀よりも長丁場になる事、その為通常の感覚よりも多くのリードを稼げる時に稼ぐが重要になる事、これを「弾倉」とか表現してた事があったっけ。


まあこの局について言えば、迷った上で数巡後リーチとした結果その間に他家の自由な進行を許し、櫻井に和了を許すことになる。

そんな進行を本人も「反省気味のなかで思い切った」、と述べたのが南3局。
渋川に一時的とはいえ順位の並びからトータル逆転を許した後、勝負どころとなる渋川の親番。

一二二二三③⑤⑦⑦8899 ドラ5

ここから濱が切った2枚目の9をポン。


確かに既に濱・櫻井は優勝条件が厳しい故にまっすぐな手牌進行をしてこない可能性がある点、ここで自分が和了しなければ渋川にさらにリードを広げられる可能性、これを考えるとポンは当然手の一つに見える。
が、まだ形が定まっていない点や他の手牌進行(チートイ、遠くのタンヤオ)も考えて、じっくりスルーする事もOKな局面に思える。逆転されてるとはいえ魚谷が1回あがって着順が変われば渋川の条件が一気に厳しくなるケースがある点も大きい。
「思い切った・・・」と思ってみていたが結果としてはこの鳴きがドンピシャに嵌って渋川から8000を直撃、勝負が決まった。

二二二③⑦⑦⑦888 999(ポン) ロン③ ドラ5



改めて魚谷さんおめでとうございます。
そしてこの激戦を魅せてくれた他3人の選手の皆さんもありがとうございました!






しかしまあ今日最後に改めて思った事は、

「スリアロカメラ、最近ワイプで選手の顔抜きまくってくるな、、、」って点w

特に今日はこころなしか多かった気がする^^;
おかげで魚谷先生はじめ、色々な方々の苦悶の表情が楽しめましたw

しかし、俺も結構昔から「麻雀中の表情変化が凄い」といわれる身なので
「自分が打つときもあんましかめっ面しすぎたりしないように気をつけなきゃな・・・w」とか思ったのでありました^^;
まあ、しばらくは放送対局で打つ機会なんて予定ないから特に悩む必要もないかもだが。

そんな各選手の表情七変化と熱い闘牌を見たい方は以下URLからも改めて是非
ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv311853410

2018年3月23日金曜日

実際に選手の本音が気になるお話

これはちょっと一部競技選手だけからの目線の話なのかも。
いや、僕だけの目線なのかもだけどw

タイトル戦の決勝ってやつはいつ見ても何というか若干の悲壮感を勝負の中に感じてしまう。
大きなタイトル戦であればあるほど、誰が勝ったにしても負けた3人の気持ちに察するに余りあるからだ。

競技選手をある程度続けて、
ある程度の自分の実力に自信と不安を持ち、
ある程度の評価をもらってる、
そんな人間が思うことは基本ただ一つ
「勝ちたい」
「実績が欲しい」
だけである。
他はほぼ無意味と考える、って域に達してる人も結構多い。

まあ多井さんとかたろうさんみたいに実績を死ぬほど出してて名声も十分な打ち手になれば考え方が多少変わるのかもしれない。
が、僕ごときの場合「仮に大きいタイトルの決勝に進んだとしたら対戦相手なんて弱いに越したことはない」くらいに考えてしまう。
そういった大舞台で欲しいのはただ実績だけ、それが本音。

もっと言えば
「自分の実力も内容もどうでもいい。相手が誰かも関係ない。ただただ今だけ神様に選ばれたい。」って心境、
タイトル戦決勝とかでそんな”自分にとって都合が良く周りには理不尽な突風”ってやつを心底望むのが多くの選手の本音、と思うのだ。僕はw

昨年の日本オープン決勝、
優勝した渋川難波と最後まで争った連盟の石立さんの戦いは本当にそんな彼の願いを彷彿とさせた。
https://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/03/



彼の叫びまで聞こえそうな闘牌に僕とかただ見てて心うたれた。
「渋川どうせお前勝った事あるしいずれどっかで勝つだろ。今回は負けてやれ」
って思った協会員が僕以外にも数人いたかもしれないw

先日のBIG1決勝、
例えば橘さんとは付き合いが長いだけにこの決勝がどれ位勝ちたいかも理解できてたし、
「細かい事なんかどうでもいい」と彼が思ってた部分もあると思う。
つまり「今日だけは神様に選ばれたい」と必死に願う、
でもその時に目の前で他の人がまさにその自分が強く欲した物を手にしてるのを目の当たりにする、それが決勝なわけですね。

一生に数回あるかの大きなチャンス、その価値をよく知ってる人であればあるほど、そのチャンスに強く”突風”を望むし、訪れなかった絶望感は想像できる。

誰もが「むこう数か月麻雀ボロ負けでもいいからこの数回だけはバカづいてほしい」
こう願いながらも大体はかなわない。
切ないなあ、と。

まあそんな切なさかがあるからこそこんな小さな麻雀って世界も勝者がちょっとだけ輝く、
片山先生の漫画でこんなシーンもあったっけ。

そういえば今週末は日本オープン決勝、今年度最後の大一番が待っている。
何人か応援してるやつもいるし、頑張ってほしい。
が誰が決勝いってもやっぱ切ない気分は多少でるのだろう。


さて、
日本オープンが終われば2018年度がいよいよ始まる。

今年こそ・・・・
多くの選手がそう考える一方で、神の恩恵を受けられるのはごく一部だけなわけである。
そう考えると改めて切ない。

私の考え方、他力本願ですかね?w
でもやっぱりそんな自分にとって都合の良い偶然をただひたすら望みながらできる限り人事を尽くす、
多くの選手が実際はそうなんだろうと思うわけで。

さて、
そういえば少し前にとある他団体の人とタイトル戦決勝について話をした時、
「別に優勝なんて興味ないです。納得できる相手といい舞台で戦えればいい。というか相手が弱いと負けた時に腹立つし。」
と言われて価値観って人それぞれだなあ、と思った事があった。

まあ一部は賛同できる。
世間の競技選手ではない人からしたら、これが選手として清く正しくカッコいい姿なのかもしれない。
僕だってそりゃ強い人にかって大きなタイトル取れれば、これ以上のうれしいことはない。
自分が認めてない人に自分が一番勝ちたい舞台で負けるというのは、競技選手としては一番悲しい面もある。

ただまあそれでも僕なら相手を選べるならやっぱ極力弱い人を僕なら選ぶw
僕の考え方が極端かもしれないが。
勝負が終わってしばらくすれば敗者が誰かなんて世間の大多数は忘れ去る、
その残酷な現実を選手として多く見てきたからこそ、勝者になる可能性が1%でも高くなるのを望むわけで。
ただそういえば堀慎吾とかは僕と真逆の発想だったりしたなあ・・・・

んで、
せっかくなのでツイッターにてアンケートとってみようと思う。
自分はG1タイトル戦の決勝で
①相手は弱いほどうれしい
②相手は強いほどうれしい
どれくらいの分布になるだろ。
以下URLなので興味ある方は見てください!
https://twitter.com/s_takenaka0821/status/976975860493295616

ちなみに舞台はG1タイトル決勝に限定します。RTDとか四神降臨みたいな少人数選抜による特別放送対局とかなら、僕だって強い人が相手のほうが嬉しい^^
特に競技選手5年以上続けてる人は入力してほしいかな。

まあちなみに「どっちでも関係ない」を選択肢に入れると1位になりそうなので入れませんw

2018年3月21日水曜日

麻雀漫画について書いてみる⑫ 兎-野性の闘牌-

今日紹介するのは伊藤誠先生の「兎-野性の闘牌-」


いじめられっこの高校生・武田俊が高校生代打ち集団ZOOに入り、麻雀を通して成長していくストーリー。
美麗な絵と、超能力じみた特殊能力を持った個性的なキャラクター達により一世を風靡した名作であり、アーケード、家庭用ゲーム、パチスロ化もされている。

この漫画の魅力はやはり上述の各キャラクターが持つ特殊能力をベースにした闘いである。
解りやすいところで言えば、
主人公である「ウサギ」は危険察知能力=相手のアタリ牌を第六感で察知、
人気キャラ「ジャッカル」は裏ドラ・カンドラを豪快に乗せるドラ爆、
ネコの「速攻」、サルの「染め」と中々に良く考えられている。
まあ後半に行くと敵もどんどんチート化していくのだが、比較的各キャラの個性や思惑が上手く描かれており中々の良作といえるだろう。

ただまあ一つ言うなら、各キャラの強さの序列がイマイチ不明確。
特に物語後半の対DD軍団との戦いだと、強いと思ってた人が超あっさり負けたりといった展開でちょっと予想の斜め上を行く事が多い。(風間優・チャップマン・柏木・ジャッカルあたりがその典型)
そして一度は圧倒されたDD軍団相手に勝つための特訓が「とにかく麻雀速く打てるようにする事」ってのがイマイチよくわからなかったw

まあ最後は雰囲気押しの作品ですね。
ビビアン戦とかはまあまあ面白いし。


んで上述の通りこの作品を基にしたアーケードゲームも幾つか出ている。
これは私もかなりやった。
ちなみにノーコンテニューで進めると3面で園長が出てくるのだが、
これがかっての脱衣麻雀のキャラを髣髴とさせるようなチート性能の強さだった。
何回役満くらったか良く覚えていない・・・

操作キャラを好きに選べて、各人が原作にそった特殊能力を持っているのが特徴。
ジャッカルとかチャップマンとかネコあたりが使いやすかった。
主人公ウサギの能力危険牌察知とか、察知しても大体相手CPUはツモあがるので、もはや意味が無いとのウワサもあり。

極めつけとして原作では最弱キャラのサル、
アーケード版第2段だと、相手と点差が開くと自動的に字牌の染め手(字一色)が入るというすさまじいチートだった。これは流石にバランス検証していたかが疑わしい。

まあそんな感じで色々とファンも多くメディア展開も多かった作品です。
興味のある人は是非。

最後にお気に入りの一コマを入れるので、
気になる人はこれがどこで掲載されてるシーンか読みながら探してみてください。

2018年3月19日月曜日

女流雀士についてもちょっと考えてみる その3

さて前回の続き
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2018/03/blog-post_16.html

2回ほど書いた記事の締めに「ぶっちゃけ男性プロ目線から女流プロについて」を書いてみようかと。
いつもどおり100%私見なので苦情は受けませんw


まず男性から女性への嫉妬ってのはどの時代もこの業界少なからずあると思われます。

根本的な部分として、
まあこの業界にかかわった問題ではなく、
実績をあげる=比例して仕事や名誉をもらえるわけではない、ってのは世の常。
そこに必要なのは
人脈、
売り出し方、
タイミング、

そして何より「華」。
多くの男子プロが求める「華」って奴を生まれながらに持ってるのがやっぱ女流なんですね。
この業界自体が女性を優遇しているのもあり、やっぱり男性が嫉妬をする部分はあるわけです。

あっ、でも近年は大分これもなくなったと思います。
思えば10数年前は麻雀関係メディアといえば近代麻雀とMONDOくらいしかなかったし、女流の数も全然少なかった。
女流がすぐにメディアで派手に扱われる事が多いし、同期の中での扱いの差も結構凄かったわけですね。
ちなみにうちの団体に僕が入った当初、女流雀王戦後の卓片付けと洗牌は運営スタッフがやってたりもしました。(当時の団体の方針がそうだったんです)
ただまあ10年前位からは女流の数も増え続け、一人の新人がいきなり大きく扱われる機会は減り、
近年はネットメディアの多様化により新人とか中間層の男性プロがメディアに出る機会も出てきた、
それによりこの嫉妬感は業界から随分減ったと思います。


でもそれでもメディアが女性を男性よりも圧倒的に使いたがるのは自明の理。
「あんなポッと出の酷い麻雀をメディアに出してほしくない。麻雀プロが誤解される」
この声を唱える男性プロがいるのは事実です。ここ数年でも聞いたことはある。

一方で女性目線に女性目線で言いたい事もあるのでしょう。
いや、僕男なんで誤解してるかもだけどw

でもやっぱこの業界には何故か「女性は男性より下手」っていう強い先入観を持つ人が結構いて、
それから「女性にとにかく上から目線の指導入れたがる人」ってのが結構いる。

女性の麻雀プロってこういう目線を潜ってきた経験からなのか、男性に対して対抗心を強く持ってる部分を感じる事が結構ある。
「自分達は男性に負けてない」もしくは「自分は他の女性と違う」この対抗意識、
色々な人見てきて思うわけで。

ただ一方僕だけかもですが、
こういう意味不明の「女性に対する上から目線」は持ってないけど、
「競技選手としての本気の指摘を100%女性にぶつける事ができるか?」と問われると、
否です。2018年現在、多少気を使う部分はある。

これは僕が数回女性に泣かれた経験があるからなのかもだしw、
(ちなみにとある女流と飯食ってて「対局放送の感想」を求められ、正直に言ったら帰られた事がある^^;)
勿論、「自分の本音の思考が相手に必ずプラスになる訳ではない」って考えも理由ではありますが。

ただやっぱり男女構成比が偏ったこの業界で「女性は大事にして続けてもらいたい」って業界内部の人は考えるケースが多いと思います。
各雀荘も各麻雀団体も「女性に続けてもらうための好待遇」ってのがあり、
各選手も潜在的意識にて相手が女性の場合は本音にブレーキかけてる点があるんじゃないかと。
「麻雀議論とか研究会で、相手が女性でも男性だろうと100%同じで接してる」って人、いるのかな?皆できてる?^^;
僕はできてない。正直に。
※ちなみにだからこそ女性だけの研究会って結構良いアイディアだと思ってたりする。

まあ既述の男女構成比の問題もあるけど「日本社会は女性の扱いが下手」っていう説も影響あるかもです。
「レディーファースト=女性に優しく」とは裏を返せば「男女差別」、こんな世論もあったり。
社会の男女のあり方って永遠のテーマかも。
、、、、議論に収集が付かないからこの辺にしときましょう。

男性には男性で、女性には女性で思うところがある、
これはどの業界も似た問題なのかも。
でもやっぱ一連の記事で書いた通り僕としちゃ「女性はこの業界にいるだけど本当にありがたい人財」って意見に賛成。
甘いのかもしれないけど、実力なんてじっくりつければ良い。
多くの選手は皆「華」が無くて苦労してるわけで、それ以外は時間と努力だと思うわけで。


さて、ちなみに最後にちょっと関係ない話も
数年前にとある女流が
「リーグ戦とか出たくない。卓上で意味わからない打牌する人が多い。女流リーグだけ出てたい。」
って言っててちょっと驚いたことがあります。

どうなんでしょ。
通常リーグ戦と女流リーグ戦、
どれくらいの温度差か、これも個人個人や男性・女性で考え方が違うんだろうなあ、と思ったわけで。

女性は女性のプライドを、
男性は男性のプライドを、
実は結構お互いにバチバチやってる部分があるのかも。
それを今後良い方向に持っていきたいですね。
まあ理想は今後も女性選手が増加して性別意識自体が消える事ですが。

そんな感じでいったんしめますか。

2018年3月16日金曜日

女流雀士についてもちょっと考えてみる その2

さて、こちらの記事の続き。
女流プロって存在が業界にとってどのような必要性があるか、って点について一方的な私見をw
https://susumutakenaka.blogspot.jp/2018/03/blog-post_14.html

まず建前無しの一般論、
「女性が集まるところには男性も集まる」という点w
人間というか生物として、脳内の神経伝達物質の関係で「そうなっちゃってる」というわけですね。

女性の人を集める力、クリーンなイメージ、
これらが商業的にも必要だからこそ将棋だって囲碁だって女流があるわけで。
そして女性だけの大会という女性が集まりやすく、売り出しやすい環境も作っている。
※各雀荘における従業員待遇も女性の方が良いケースが多い。

んで
「明らかに男性より実力の低い人でも女性ならプロを名乗らせるってどうなの?」って点について。


まず前回記事のとおり、
確かに「女流合格」がある以上レベルのバラつきについて多少差があるのが事実でしょう。女流合格ギリギリの人は基本的な事をちゃんと覚えていない子だって過去に見たし。そこについては否定はそこまでしません。
上述の通り商業的に女性がもっと必要だと各団体が判断しているからでしょう。

ただよく放送や大会等で女流が失敗しちゃってバッシング受けてるケースを見て思うのは、
「これ位のミスならやらかす男性プロだって同じくらいいる」です。
この業界女性の方が圧倒的にメディア(放送対局)に出たり大会にゲストで呼ばれるケースが多い。特に年齢の若さによる需要の関係で、デビューして数年の勉強期間が浅い子の方がそういった機会に恵まれるケースが多いです。

一方で男性プロはよほどのキャリア、実績に恵まれなければそういった機会には恵まれません。つまり「放送とかで叩かれるレベルの男性は機会が無いだけ」とも言えるんですね。

まあ「それってプロ全体のレベルがどうなの?」と言われると、こりゃ正直返す言葉が無い部分はあります。この業界の抱える全体的な問題なので、それは別の記事で。

ただここで言いたいのは、多少のバラつきの差はあれど「女性」って言葉で片付けるのは違うんじゃ、と思う点です。

さて放送対局について、
「ならばレベルの高い男性とかの対局だけ流せ」
「なんでトップじゃないレベルとわかって放送するんだ」
って意見について一言、

まず理由の一つは上述の「女性の集客力」。
客が集まる物だから流している。
そしてもう一つ「レベルの高い対局の凄さが必ず視聴者に伝わるわけではない事が多い」という点。

この例としてちょっと将棋について。
僕は将棋のタイトル戦実況を男性、女性の両方ともよく良くみます。好きなので。
が、正直に両者の実力の差なんて良く解りません。
どんな凄い一手も解説のプロの方々の話し聞いてはじめて「ふーん」っ感じです。
※ちなみにだからこそ麻雀はそれらを伝える「解説」が重要でそれがヘボだと放送そのものが台無し、って僕の持論は以下記事にて
https://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/03/3.html


これ麻雀でも同じ部分があるかと。
僕からしたら凄い緻密な読みがあったと思われるハイレベルな半荘や局でも世間では平然とスルーされる事だってある。
例えば打ち手の素性を全部隠して、それがどの程度の人達の対局かをわかる人、これってよほどのマニアでも中々出来ないんじゃないでしょうか。
これは別におかしい事ではないし、そうでなければ我々が専門家である意味も更に薄くなるでしょう。

この事実、そして女流に対する需要の大きさがあるからこそ、どんなジャンルでも女流のトップ対局を男性と同レベルで取り扱ってるわけで。
まあ「麻雀の場合女性の扱いが良すぎるんじゃ」と言われると、それは協賛企業等の意思なので何とも^^;

まあダラダラ書いたまとめ、

当たり前ですが
需要があって興行として成立するから、
女流が存在している。
年々採用されている。

麻雀はアングラなイメージが強いし、もっと女性は増えて欲しい、というのが僕の意見でもある。

近年他分野から麻雀業界に参入する女性も増えてますが、これは僕からしたら凄い歓迎。
麻雀についてキッチリ勉強してくれるならなお更。

麻雀の内容について一部文句言ってる人もいますが、女性に限定して文句言うのは麻雀界全体の問題を理解してない。
そもそも高すぎる質が世間に求められているか、残念ながら否な部分もある(これは麻雀だけではない)

言いたい事の数パーセント程度ですが、本記事ではこれくらいで。


さてただ一方で、
「業界内の男性プロから見た女流プロへの本音」
ちょっとこれも書こうかなと。
正直に色々な嫉妬が多少はありますよ
色々聞いてきたし、僕が思う点もある。
気が向いたときにちょっと書く、予定w

2018年3月14日水曜日

女流雀士についてもちょっと考えてみる その1(ちょっと女流棋士についても)

いつも通り100%の私見なので苦情等は特に受け付けません(^^;)
あと基本的に記事内は全て敬称略です。

いま世間を騒がせている将棋界の新星 藤井聡太,
ちょっと前に史上最年少での一般棋戦優勝も成し遂げ世間の話題をかっさらった(しかもその中でも最大級規模の朝日杯オープンだというのだから凄い)。
が、将棋をある程度知ってるファンがそれよりも注目してたかもしれない同時期のこんなニュースがあった。
まあ歴代中学生棋士の方々のすさまじい実績を知ってるファンからすれば、「藤井なんてほっときゃその内タイトル勝つでしょ」って考えが多いだろうしw

<将棋>里見女流名人奨励会退会が確定…26歳までに四段昇段ならず
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180218-00000165-sph-ent

事前知識をいくつか
・将棋プロ=「棋士」と「女流棋士」は資格取得条件がそれぞれ異なる。
・女性が正式な「棋士」の資格を獲得した事例は長い将棋界の歴史でも過去0
・この記事で取り上げられてる「里見香奈」は現在女流タイトル6個中5個を保持しており歴代記録も全てを塗り替える可能性濃厚な「史上最強の女流」

そんな彼女が「棋士」の養成機関である奨励会にて一定の成績をあげる事が出来ず、年齢制限にて今年度で退会となったわけである。
歴代で一人もいない女性の「棋士」の誕生を期待していた多くのファンから「里見でダメなら誰ならできる?」という声があがっても無理はない所。それ位に彼女の実績は凄い。
まあ現在奨励会三段(プロの一歩手間)にはもう一人女性(西山朋佳)がいるので、こちらの可能性も含めるとまだ悲観しきるわけでもないが。

さて改めて上記の原因は何か?と考えた時にいくつかあげられる点がある。
① 女性と男性の生物的な差
② 女性と男性の競技人口の差
③ 女性と男性の競技における賞金および待遇の差


そもそも脳構造・生物学的構造がある以上、男には向いているが女には向いていない、という事象はどうしてもあるのかもしれない。
が、それ以上に②の様な絶対的な競技人口差があるとすれば、女性棋士が誕生していないのもしかたないだろう。
これは単純な確率な問題で、ぶっちゃけこれこそが一番の要因である可能性が高いかもしれない。そして麻雀プロについてもこの点は共通する部分が若干あるだろう。

一方で③については細かい点は僕も知らないので間違った認識はあるのかもだが、
実際に公表されている将棋のタイトル戦の賞金は正式なタイトルと女流タイトルにおいて数倍の賞金差がある。何より女流棋士の引退していく傾向等を見ても「女流だけじゃ生活できない」という状況はおそらくあると思われる。
この点は麻雀プロと逆の点が多く興味深い。
麻雀プロは女性の方が業界に守られている面もある。
まあ業界の規模も構造も違いすぎて一概に比較はできないが^^;


さて上記の通り将棋において女性と男性の実力差は実績の面から明確になっていると言える。
でも、それでも女性の力が必要だからこそ、各女流棋戦のタイトルは男子同様に宣伝されているわけだ。

麻雀界はどうか?と考える。
麻雀というのは将棋のように女性と男性の実績に極端に差が出ているわけではない。(無論運要素の多いゲームって点も理由かもだが)
女流Aリーガーだって過去歴代で何人かいるし(協会なら初音舞、崎見百合、蔵美里の3名)、
女流が男女混合のビッグタイトルを獲った例もある。(近年だと佐月麻理子)
これは上述の競技人口比率差を考えると、けして少ないと言える数字ではないだろう。

が将棋と同様に「女性むけの合格基準(女流合格)」が存在しているのも事実である。
これは将棋と同様に「業界に女性の力が必要だからこそ」だ。

まあ一方で、麻雀ってゲームの性質や業界の構造上、ただでさえ麻雀プロってのは一般愛好家のサンドバッグになる面があるため、
「女流合格」ってのが将棋よりも大きな批判対象になってる感は否めない。
また、個人的には「男だろうが女だろうが強い奴は強いし弱い奴は弱い」くらいにしか僕はおもってないけど、結構世間はそう考えてない人が多いみたい^^;
だって男だって「この子大丈夫?」って新人なんて山ほど見てきたし。
まあ上記の通り女性専用の基準がある以上、標準偏差=全体のレベルのばらつき、って奴があるのは自明の理なんだろうけどね。

改めて
色々と女流プロが持ってる難しさ、
将棋界には将棋界の難しさがあるのかもだし、
麻雀界には麻雀界で難しさがある。
冒頭のニュースを見てそう思ったりしたのだった

さて、麻雀の女流プロの位置づけとか存在意義とかは男子プロ目線でもうちょっと深堀した記事に続く。できれば「これから女流になる事を考えている」って人の参考になる記事にできりゃいいんだが。






ただ結構色々と書く事はあるので、長文になるだろうから気が向いた時にコツコツあげますw
ちなみに既述の通り僕個人としては、「打ち手評価」って点については別に女性とか関係ないと思ってるし、これは長年この業界に生きてきた人なら当然の感覚かと。
ただまあ女性にしかできない事が色々ある一方で男性から女性への嫉妬もあって、そこから色々と意見がでるのもまあ当然だろうなあと思ったりもするわけで。

とりあえず次の記事(いつ書くかは未定)に続く

2018年3月12日月曜日

日本オープンで負けたときあるある(某池崎風)

3着、1着、2着、ときて迎えた4回戦

東2局南家 5巡目にていきなりこんな聴牌
二二二七七七⑧⑧⑧2377 ドラ 2

この巡目にして安目6400の両面聴牌。
無論ダマ。
まあこれがもしもタンヤオもドラも無ければ場況次第じゃリーチも考えるが・・・

とか思ってたら次々巡あっさり7引いてドラの2切ってスッタン聴牌
二二二七七七⑧⑧⑧3777 ドラ 2

となった直後、
さきほどまで8000の和了牌だった4を東家が切る。
そしてその次巡に引かされた③を切ると北家から「ロン8000」とか言われる。
・・・仕方ないことなのだが、「だったら四暗刻になんかなってくれるなよ」である。
なってしまったからにはもう人として打点4倍のタンキに受けるが、それでアガリ率激減するのは自明の理、「32000になりゃうれしいけど、アガリ逃す確率高くなりそうだからその前にさっと上がらして欲しいといえば欲しい」
これはまさにスッタンの宿命みたいなもの。



そして3着、1着、2着、3着ときて迎えた5回戦
ここでトップだとだいぶ通過が現実的、というところ。
南2局時点で点数こんな感じ

東家 29000
南家(私) 42000
西家 23000
北家 5000

中盤に西家のリーチを受けてたところで既に聴牌
一一一二三四五六八九789 ドラ 6

まあこれがもっと点数つまってる序盤だったらリーチしてたが、この点数なら当然のダマ。そしてリーチに西家は四を切っている。つまりオリも問題ない形!

2巡後に引いた無筋の⑥でもう無理せずに一を切っておりる。
すると次巡にすぐ⑥を再度重ねて聴牌復活!パーフェクト!
一一二三四五六八九⑥⑥789 ドラ 6

そしてもう一度一を切るとなんと勝負気配0だった東家から「ロン 12000」の声
二三456667788⑨⑨ ロン 一 ドラ6

一気にトップ陥落。だったら西家のリーチに打ったほうがマシだった・・・・・・




そして迎えた最終戦。
基本はトップ条件。でも2着でも場合によっては通過できるケースもあるかも、の局面。
そして以下の点数で迎えた南2局

東家 9000
南家(私) 35000
西家 26000
北家 30000

ここは是非とも流したい、
、、、とか思ってたら親が4巡目リーチでツモ・チートイドラドラで6000オールとかいう犯罪手が飛び出す。
その後もなんやかんやでこの半荘は3着終了。
そして結果見たら、2着だったらほぼ通過が出来ていたというオチ



というわけで負けました。
やっぱ惜敗ってストレスたまる。自分のミスが特に露骨に敗因になる点も含めて・・・

終わった後、
スリアロ放送の前にあまりにもお腹がすいていた+イライラしていた。
んで対局会場のニュー新橋ビルにてチャーハン王という看板が目に飛び込んで衝動的に入った。


うまかったです。
この日の対局であった唯一の収穫はこの店w

チャーハン自体はまあ無難に美味しいくらいだったのですが、
つけあわせの鶏がらスープがとにかくチャーハンと相性がいい。

店も食べ方として
①チャーハンを食べる
②スープを飲む
③チャーハンを食べながらスープを口に含む
として味のバリエーションを楽しみながら食べるのをすすめており、これが良し。

そして
④チャーハン専用ソースをかけて食べる(ソースというよりは漬けダレ)
⑤さらにソースをかけたチャーハンを食べながらスープを口に含む
とその後もあって、これがとにかくよかった。

マスターズ予選のときにまた行くかな!
ニュー新橋ビルで対局する人にはおすすめしときます!

というわけで今年度の対局全て終了。
来年度も頑張ります。

んで終わった後はスリアロ村でした。
なんというかねー、
放送でも言ったとおりまさに前回記事で書いた「バランスゲームの最適解」ってヤツを考えさせられるゲームだった。
人狼難しい。

でも全国の方々と人狼をするという貴重な経験、僕としても非常に楽しかったです^^
まだ見てない人はTSを是非。

Fresh!https://freshlive.tv/jinrou-ch/191004
ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv311032393

2018年3月9日金曜日

どんなに鍛錬しても弱くなることがある その2

前回の続き。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2018/03/blog-post_7.html

ちなみに前回記事のような対話形式の文章は面倒なのでいつもの文体に戻します。
あとここからは麻雀をメイン題材にして話を進めます。だって麻雀プロのブログだもんw

さて改めて、
何故「一生懸命勉強して練習しても弱くなる」という事象が発生するか、このメカニズムについて。
これには大きく3つの理由がある。
以前に書いた日記の内容と思いっきりかぶる部分もあるので引用しながら進めます。

理由1:
アナログゲームには絶対的な正解がそもそも存在しえない。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/12/blog-post_28.html

アナログゲームの特徴は「異なるベクトルの情報を総合して判断する」という点にある。
例えば麻雀では「打点」「スピード」「持点」「巡目」「相手」
一つ一つが大事な要素である一方、各ベクトルが違うがゆえにすべてを画一的に判断ができない、つまり「トータルでの絶対的・数値的な正解」というのは存在しえない。
打ち手にできるのはあくまで「適度なバランスをアバウトな感覚で見極める」、これが限界。
「最適解」なんてものがそもそも存在しない。これがまず大前提である。

が、
仮に麻雀に神様がいるとして、
実は麻雀には「絶対最適なバランス=最適解」が存在するとして、
神様にはそれが解っている、
と仮定しよう。

そして人間は常にその最適解を模索して研究をしてる、とする。
たとえば以下の図だと、最適解に近いAさんが強くてBさんは弱い、となる。






そしてAさんはどんどん最適解に近づいていく、、、
としても絶対にそれにたどり着くことはできない。正確に言えばたどり着いても一瞬で離れる事になる。

それが理由2:
最適解があったとしても常に変動している、という点にある。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/01/blog-post_85.html

上記事にもある通り、
対人のアナログゲームは結局「相手の取る戦術」で有効戦術が変わる。
将棋で言えば「藤井システム」が出来た時には最強戦術として猛威をふるったが、しばらくすれば対抗手段が研究されまた全体戦術バランスが変ったように、常に「最適解」は変化しているわけだ。
ましてや麻雀は卓上の3人の傾向でその最適解が変動することを考えると、それをとらえるのはもはや不可能である。

このようなイタチごっこは永久に終わらない。
それどころか図のBさんのようにあまり打ち方を変えてない人が突然最適バランスに近くなるケースすらある。

そして理由の3つ目:
人間は常に変動している事、つまり「一定」でいるのは不可能、という点

これを自覚をしていない人は多いが、人間の思考というのは絶対にぶれる。
理由は単純。人間だから=有機体だから。

たとえば人間の髪、爪、皮膚はたえず新陳代謝を繰り返している。
そしてこれは体内の細胞、脳細胞も同様である。
人間は数年たつとすべての体細胞が一新される、という説が示す通り、
そもそも物理的に同一でいられないという前提がある。
そんな有機体が上記のようなアナログゲームで常に自分を「一定」とするのがそもそも不可能なのである。


つまり麻雀に最適解があるとして、
それに対して研究をして追い続けいつかキャッチができたとして、
最適解が不動の物だったとしても、
人間故にすぐにそこを離れてしまうのである。

鍛錬を積んだ打ち手ほど常に最適解に近い位置取りをキープはしている事は多いが、時にその距離は離れ、時に近づき、絶対にピタリと一致することはない。
言うなら強い麻雀打ちとは最適解のまわりをぐるぐる回り続ける衛星みたいな存在なわけだ。
それも中心となる存在自体が常に動いているとなると衛星の衛星と言える。
そう書くとなんか切ない存在w


最後に
前記事で触れたように、将棋界にて歴代最強の一人と目されている渡辺明ですら弱くなる時期があるのが現実。(いやまあ実際に弱くなってるかはわからないが)
いうなら結局この手のアナログゲームのプレイヤーはいつかかならず実力的なスランプにおちいる運命にあるといえる。

そもそも「努力した分だけ強くなる」というの中級者以上には当てはまらない。
強くなる時もあれば弱くなる時もある、努力して「良い方向」へ持ってくことはできても「絶対」ではない。
昔とある後輩に「数年前より弱くなってる」と言ったら、ブチ切れられた事がある^^;
本人は「努力をしてない」と言われたと思ったのだろうが、
僕からすりゃ「努力してれば弱くなることはあり得ない」という考えがそもそも無い。
その事実を受け入れて長い時間かけて自分の実力も精神もメンテナンスし続ける事が必要だと思うわけで。

まあ競技麻雀は特に実力と結果の因果関係が薄いと考えると、その能力は尚更大事だろう。
そして「渡辺明ですら直面している現実に、あなたが直面しないなんてあるか?」
という点を多くの打ち手は問いかけておきたい次第である。


最後に改めて、
渡辺先生が来期以降に復活するのを将棋ファンとして心待ちにしてます!
特に今話題の藤井6段がこれから将棋界をさらに席巻していくとしても、
羽生さんにとって谷川さんがいたように、
渡辺さんにとって羽生さんがいたように、
大きな壁としてライバルとしてそびえたつ姿をファンは見たい!
まあこんな社会の末端の麻雀プロのブログなんぞ先生が読みわけはないが、エールが届いてほしいと思う次第。

2018年3月7日水曜日

どんなに鍛錬しても弱くなることがある その1

ちょっとまずはこの話題から
渡辺明棋王、A級から降級決定
https://www.asahi.com/articles/ASL325JSXL32UCLV012.html?iref=comtop_list_nat_n01

渡辺明って名前は将棋ファンならだれもが知っているだろう。
史上4人目の中学生棋士(達成者は他に加藤・谷川・羽生・藤井の4人)、
30代半ばにしてタイトル獲得数は既に歴代5位、
将棋界最大級の名誉である「永世」についても竜王・棋王と2つ持っている。
ちなみに複数の永世称号を獲得しているのは将棋界歴代でも大山・中原・羽生そして渡辺だけ。

これらの記録だけを見ても彼がいかに特質すべき棋士かがわかるし、
ここ10年にわたり羽生と共に将棋界の第一線を支えてきた男である事は疑う余地もない。

そんな彼が将棋界の最高峰リーグ順位戦A級から降級。
まあどんな打ち手でも降級する事はある、現役引退までずーっとA級だったのはせいぜい大山くらいの物で、
中原だって米長だって谷川だって降級してるわけで。

ただ今回は彼が30代半ばという点が大きな注目ポイントである。
既述のように将棋界の歴代を見ても突出したレベルの成績をたたき出している彼、
その彼が棋士としてまだまだ最盛期レベルの年齢にて降級の憂き目にあったわけである。
当人も降級翌日にブログにてこんな心境をあらわにしている。
https://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/51c9d2338e99440ebb753f9d64864a20

飾り気も何もない文章。
それだけに読んでいて色々な彼の心境が見えていたたまれない気分になった。

以下抜粋:
白星が集まらないことには何が今の自分に合ってる(戦法、取り組み方)のかも分かりません。
負けては変えて、負けては変えて、で元に戻る、という負の連鎖が今の状態です。
こんな時、将棋にもコーチがいれば、とは思いますが、自分で考えて何とかするしかないんですよね。

大変だよなあ。
業界最前線を走る男となると、もはや誰かに教えを乞う事も難しいだろうし。
今年については正直あまり応援してなかったが(例のソフト不正問題から三浦を応援してた。これは多くの人がそうかとも思う)、
彼が改めて来年以降に復活をとげて、羽生とA級や決勝で戦う姿を見たい。
そう思ったのであった。

さてそんな感じでYahooNewsを見ていた所、
ふと話しかけてくる我が家の相方。

「ねえ?」
『ん?何?』
「この渡辺って人、すごく強くて年齢的にもまだまだ若いんでしょ?そんな人が”弱くなる”何てことあるの?」
『まあ、普通にあるよ』
「この人練習とかをさぼっちゃったって事?」
『ひょっとしたらそうかもしれないけど、別にどんなに強い人がどんなに鍛錬をしたしても弱くなる時は弱くなる。アナログゲームってそういう物だよ』

「さぼってないのに弱くなるなんて事あるの?」
『うん。むしろ”さぼりさえしなければ弱くなるなんてありえない”、”弱くなったのはさぼった証拠”って短絡的に考えてる人の方が多いけど、それは間違い。


「なんで一生懸命勉強して練習しても弱くなっちゃうの?」
『んーとね、
大きく分けるとその理由は2つ
①ゲーム自体の性質(バランスゲーム故に絶対解が無い)
②人間の性質(常に変化して揺らいでいる)
これがある。
どんな事象もある程度の知識を身に着けるとその先はもう”鍛錬すれば強くなる。少なくとも弱くならない”って事にはならないんだよ。

具体的に言うとだね、、、、』
ちょっと記事が長くなりそうなので次に続く

2018年3月5日月曜日

そうです、私も、きざんでみたくなった・・・

さて先週金曜、
ネット麻雀「天鳳」の超カリスマプレイヤーとして知られる「ASAPIN」こと朝倉康心さんが最高位戦への加入(リーグはB1から)を表明。
http://jan39.com/asapin/ご報告

少々前に同じく天鳳のカリスマプレイヤー「すずめクレイジー」さんが連盟にB2リーグから加入した時も大きな話題になったが、それに続いての物となる。
なんというか、最高位戦は昔からこの手の人材確保について柔軟な団体で、この点はうちももっと見習うべきなんだろうなあ、とか思う。(まあ事務局でもなんでもない俺が言うのもなんだがw)
https://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/12/blog-post_92.html

ネット業界の人がどんどん評価されて特別待遇でプロ団体に入ってきている点については、上記の記事で所感を書いてるので割愛。興味ある人はそっち読んでいただければ。
まあ「10年前は全く評価されてなかったジャンルがいまや業界の中心の一つとして認められたよなあ」ってトコ。

んで今回改めて思ったのは、
「何故麻雀打ちは麻雀プロになりたがるのか」
って原点の部分。

ASAPINさんは既にこの業界にて十分な知名度がある、大多数の麻雀プロなんかよりもはるかにカリスマ的な存在だといえる。
それが何で今更麻雀プロになったのか?って本心は何か。

思えばこのテーマと切っても切れない人の1人は、
現在連盟のトッププレイヤーの1人である「佐々木寿人」さんだろう。

彼はプロになる前からその名を既に広く知られていた。
「フリーで1000万貯めた男」として漫画のモデルにもなり、特別対局も近代麻雀等で組まれたりしていた。
当時は今のようにネットでの公開対局も無く、メディア情報がごく限られてたのもあり、プロにならずとも彼は異色のカリスマとして業界の中心に近い存在だったわけである。

でもそんな彼も有名になった数年後には連盟に加入する。

その寿人さんやASAPINさんを見て思うのは、
やはり「それなりに知名度が高い」ってレベルじゃなくて「No1」になりたいってのが麻雀うちの本能なのだろう、という点。
この点は多くの打ち手が麻雀プロになる原点でしょう。
それはたとえネット麻雀が広く認知され、麻雀プロでなくても評価されるフィールドが業界に出来ている今であっても、変わらない。

無論「強い人と面白い麻雀が打ってみたい」という勝負への欲求もあったかもしれないが、
それでも多くの打ち手を突き動かす最大のファクターは「自分の名をきざんでみたい」という承認欲求なのだろう、と今回の件を見ても思ったわけだ。


ちなみにこの場面にでている「尾根」、
こんな壮大な前フリしたわりには超あっさり負けますw
興味ある人は「牌賊! オカルティ」を是非に。今ならKindle読み放題で全巻読めます。


最後に改めていうなら、
ASAPINさんが高い雀力もってるのは今まで色々な所で彼の考え方とか麻雀にふれているので今更疑いはない。

そもそも「しっかりした実力持ってる競技麻雀プロ」と「ネット麻雀の高段位者」
この二者はもっている能力、いうなら得意分野に差がある。

一番の差は「条件達成の為の能力」。
麻雀プロは多くのタイトル戦をとおして色々なルールや勝ち上がり条件戦にふれる中で、「決められた回数において、与えられたルールの中、決められた条件をクリアする」
この能力を鍛え上げる。

これは無制限回数でのトータル収支を安定させる事が目的となる雀荘メンバーとかネット高段者が体験したことがないことが多く、そのスキル差が露呈する場面も正直に今まで見てきた。

ただこの点についても彼は既に多くの体験をしているので問題もない点が多いかと。
果たして数年後、彼が「一介のプロ」になってるのか、それともトッププレイヤーになっているのか、個人的な楽しみでもある。

ASAPINさん、今後ともよろしくお願いいたします。
団体違うけど。

2018年3月2日金曜日

思い出の雀荘について書いてみる : 仙川オレンジハウス

初めてフリー雀荘にいったのは高校2年生の時だった。(まあ年齢の細かい事は気にせずに^^;)
高校の麻雀友達に誘われ雀荘に行ったらいきなり知らない人と打たされたのはよく覚えている。

店は今は閉店している渋谷の「ベガ」
日本初の女流麻雀プロ「浦田和子」さんのお店だった。
後に人生で初めて雀荘でメンバーやったのもこの店である。
何人かこの店で顔を知って今でも親交がある人もいる。
協会の木原さん(この時木原さん20代、僕10代)
協会の出本さん
最高位戦の曽木さん
棋士会の山本さん
あたりかな。

ゆえに約10年前に閉店した時は結構ショックだった。(しばらくはルミアキとして続いていたが)


で僕が高校3年生の時に、人生で2番目に入ったフリー雀荘、
本格的に麻雀にのめりこんだもう一つのきっかけとなった店、
それが仙川オレンジハウスである。
ちなみにこの店を選んだ理由は家が近かったという点だった。(当時のバイト先から歩いて1分)

初めて入った日の事はほとんど記憶にないが、
人生で初めて一人フリー新規入店をした日なわけだったからそれなりに緊張したのではなかろうか^^;

まあ麻将連合の管理店という事もありマナーも良いお店だった。
健康麻雀に近い雰囲気で(といってもたばこOK等の違いはあるが)、ギラギラした人も全然いなかった。

今考えると雀荘なんて先ヅモOK、無発声OKの店も山ほどある中で(当時は今より場末店はもっと多かったし)、
たまたまこの店を見つけた事によってフリー雀荘って物に恐怖も抵抗も感じなくなり、
その結果競技麻雀の世界に足を踏み入れる事になった、とも思う。

なんせこの後に入った何件もの店の中には物凄いマナーの店もあったわけで、、、
(まあフリー雀荘ってどうしてもそういう方針をとらせざるを得ない店もあるわけで^^;)

ちなみに当時の店長は現在もμ認定プロとして活躍されている武則さんである。
思えば当時は10代のクソガキだった僕に、武則さん含め店の人達は苦笑いしながらも丁寧に接客していてくれたのは想像に難くないw

ついでに言うならこの店に通い始めた時、
一応身分を大学生と偽る為に、生年月日を1年サバ読んでいた。
が、数年後に私の双子の兄(武中真)もフリー雀荘に行くようになりこの店を知り入った時、
兄曰く「顔は全く同じで生まれた日も同じなのに生まれた年だけ違うという関係を関係性を説明するのはちょっと面倒だった」らしい。
※従弟という事でテキトーに流したらしいが、まあばれてただろどう考えてもw


井出プロがちょくちょくゲストで来ている事は知っていたが、学校などの都合で実際にその日に店に行けたことはなかった。
そして僕は社会人になると生活範囲が変わってしまった関係でほとんどこの店に行かなくなった。
後に女流プロをちょくちょくゲストに呼ぶようになったと聞いて、「あの健康麻雀的な店も女流を呼ぶとか時代の流れかなあ」とか思ったりした。

蔵美里がゲストの時に遊びに行って、
ヤツのゲストが終わった後に店の方々も交えて軽くお酒を飲ませて頂いた事も1回あった。
10年以上前に常連だった店の人と飲むというのは不思議な気分だと思いつつw、当時からのメンバーの方々の顔を久々に見れたのはうれしい限りだった。


そんな色々な思い出のある仙川オレンジハウス、
2018/2/28をもって閉店となったとの事。
なんというかね、こうやってまた一つ自分の思い出の場所が消えるというのは切ないなあ、と思うわけである。

そういえば第13期雀竜位が終わってしばらくたった後、
この店で働いている子が協会にプロとして入ってきて、
彼からその決勝を店の人達が見て盛り上がってくれていた、と聞いた時は懐かしい気持ちとうれしい気持ちで一杯だった。

最近は住居自体が仙川から離れてしまった為全然行ってなかったし、
最後に一度行きたかったけど、色々と多忙で時間も作れず。
無理やりでも時間作ればよかったかも。

店の常連だったのは18年位前でもう細かい事は思い出せないけど^^;、
やっぱ上記の通り改めて振り返って、
この店がマナーの良い絵にかいたような良店だった事、当時のスタッフの方々が暖かく迎えてくれたこと、これが今僕が競技選手やってる理由の一つだろうと思う。閉店と聞くと本当に寂しい限りだ。

そしてできればこの店みたいに、
まだフリー慣れしていない人が初めて来た時に、
「またフリーが打ちたい」って思えるような良いマナーと雰囲気の店が、今後もたくさんあり続けてほしい、
コアな麻雀好きができるきっかけってそれなんだろうな、とこの記事を書いてて思った次第である。


最後に改めて、 お店の皆様、関係者の皆様、ありがとうございましたm(_ _)m