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2018年3月7日水曜日

どんなに鍛錬しても弱くなることがある その1

ちょっとまずはこの話題から
渡辺明棋王、A級から降級決定
https://www.asahi.com/articles/ASL325JSXL32UCLV012.html?iref=comtop_list_nat_n01

渡辺明って名前は将棋ファンならだれもが知っているだろう。
史上4人目の中学生棋士(達成者は他に加藤・谷川・羽生・藤井の4人)、
30代半ばにしてタイトル獲得数は既に歴代5位、
将棋界最大級の名誉である「永世」についても竜王・棋王と2つ持っている。
ちなみに複数の永世称号を獲得しているのは将棋界歴代でも大山・中原・羽生そして渡辺だけ。

これらの記録だけを見ても彼がいかに特質すべき棋士かがわかるし、
ここ10年にわたり羽生と共に将棋界の第一線を支えてきた男である事は疑う余地もない。

そんな彼が将棋界の最高峰リーグ順位戦A級から降級。
まあどんな打ち手でも降級する事はある、現役引退までずーっとA級だったのはせいぜい大山くらいの物で、
中原だって米長だって谷川だって降級してるわけで。

ただ今回は彼が30代半ばという点が大きな注目ポイントである。
既述のように将棋界の歴代を見ても突出したレベルの成績をたたき出している彼、
その彼が棋士としてまだまだ最盛期レベルの年齢にて降級の憂き目にあったわけである。
当人も降級翌日にブログにてこんな心境をあらわにしている。
https://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/51c9d2338e99440ebb753f9d64864a20

飾り気も何もない文章。
それだけに読んでいて色々な彼の心境が見えていたたまれない気分になった。

以下抜粋:
白星が集まらないことには何が今の自分に合ってる(戦法、取り組み方)のかも分かりません。
負けては変えて、負けては変えて、で元に戻る、という負の連鎖が今の状態です。
こんな時、将棋にもコーチがいれば、とは思いますが、自分で考えて何とかするしかないんですよね。

大変だよなあ。
業界最前線を走る男となると、もはや誰かに教えを乞う事も難しいだろうし。
今年については正直あまり応援してなかったが(例のソフト不正問題から三浦を応援してた。これは多くの人がそうかとも思う)、
彼が改めて来年以降に復活をとげて、羽生とA級や決勝で戦う姿を見たい。
そう思ったのであった。

さてそんな感じでYahooNewsを見ていた所、
ふと話しかけてくる我が家の相方。

「ねえ?」
『ん?何?』
「この渡辺って人、すごく強くて年齢的にもまだまだ若いんでしょ?そんな人が”弱くなる”何てことあるの?」
『まあ、普通にあるよ』
「この人練習とかをさぼっちゃったって事?」
『ひょっとしたらそうかもしれないけど、別にどんなに強い人がどんなに鍛錬をしたしても弱くなる時は弱くなる。アナログゲームってそういう物だよ』

「さぼってないのに弱くなるなんて事あるの?」
『うん。むしろ”さぼりさえしなければ弱くなるなんてありえない”、”弱くなったのはさぼった証拠”って短絡的に考えてる人の方が多いけど、それは間違い。


「なんで一生懸命勉強して練習しても弱くなっちゃうの?」
『んーとね、
大きく分けるとその理由は2つ
①ゲーム自体の性質(バランスゲーム故に絶対解が無い)
②人間の性質(常に変化して揺らいでいる)
これがある。
どんな事象もある程度の知識を身に着けるとその先はもう”鍛錬すれば強くなる。少なくとも弱くならない”って事にはならないんだよ。

具体的に言うとだね、、、、』
ちょっと記事が長くなりそうなので次に続く