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2017年11月29日水曜日

僕がつまらないと思った物が「駄作」というわけでもない

前回の「鉄火場のシン」を低く評価した記事、
思ったよりも地味に反響があって、DMをもらったりもしたので、
せっかくなのでちょっと追記をしたいかと。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/11/blog-post_27.html


まず一つ、
僕は「自分が面白いと思わない作品 = 世間での駄作」とは全く思ってない、
って点をちょっと言っときたい。

この手の創作物はもちろん、
世間のあらゆるもの、
ゲームだってスポーツだってそれこそ麻雀番組だって、
「万人が面白いと思う」という物は存在しないという事実があって、かならず「ターゲット層」ってヤツがある。

麻雀漫画だって
「無駄ヅモなき改革」「咲~Saki」みたいに麻雀の雰囲気だけを伝えるビギナー向けの物もあれば、
徹底的にディテールにこだわった物もあり。
作品の方向性が違う以上は「どれが一番」ってのはないわけだし、
万人の魂を激しく揺さぶるような物もないわけで。

色々なジャンルを見渡して、
僕が評価しない名作もあれば、僕が評価しない駄作も多い。

麻雀プロってヤツを見ても、
僕には全く理解できないけど世間で評価されてる打ち手もいれば、
僕からすればもうちょっと世間で評価されるべきと思う打ち手だっているわけで。

麻雀漫画について言えば、
「鉄火場のシン」は10巻も連載が続いた。
前の記事でも書いた通り、全くの不人気だったら多分こんな続かないだろう。
僕の目にはまったくもって面白さが解らないがw

ちなみに僕の目から見て「面白いのに全く続かなかった作品」も無論ある。
例えば今は「鉄鳴きの麒麟児」を連載している塚脇永久先生がかって近代麻雀で書いていた「卓上のコビト」
あのあと連載が続いてたらどれ位ネタが続いていたかは正直不明だが、僕の中でかんなり面白かった。

卓の中で限定的なイタズラができるコビトを使った打ち手の戦い、
コビトたちの能力もよく考えられている物が多くて、
各自の能力がうまい具合に生かされた戦いは単純に面白かったし、
何より作り手側の麻雀愛とか知識が伝わってきた。
、、、が単行本化も結局はされず。「面白いのになあ・・・」というのが率直な感想だった。

「万人向け」
「万人がある程度は面白いと思う物」はあるが、
それは逆に言えば「万人にとってそこそこ面白い程度」という物ともいえる。
誰かの心に残る作品ってのは、上述のターゲットを明確にする為の一種の「偏り」がある点が多い、と個人的には思う。

「もっと〇〇層にも響く物を」とか
「もっと多くの人が楽しめる物を」とかの意見は、
麻雀プロごときの立場でもよく貰う。

これは間違ってないが、正しくもない。
そういったネット上の「もっともなご意見」を聞いた大抵の作り手は、
「正しい。眠くなるほど正しい。でも私が作りたいものはそうじゃない」
と思ってるだろう。


ただ世間一般を見ると「爆発的なヒット作」ってこの矛盾した二面性を抱えてる物が多いと思う。
例えばゲームなら
気軽にライトなファンが楽しむことができる。でも一方で多くのやりこみ要素がある。
漫画なら
飛ばし読みしても面白いし。でもじっくり読むと違う世界が見えてさらに面白い。
って感じですかね。
まあそれを実現するのは難しいんでしょうが。

色々と話の方向性が分散してきたので、ここらへんで締めます^^;

最後にもっかい改めて
このブログはあくまで僕の私見です!書きたい事しか書きません!
万人受けとか全くもって考えてません!
これ読んでどう感想を持たれようが僕は責任持てません!
でもできれば楽しく気軽に読んでくれればうれしいですね!
あしからず

2017年11月27日月曜日

麻雀漫画について書いてみる⑩ 鉄火場のシン

今日紹介するのは「鉄火場のシン」
バブル崩壊後の歌舞伎町を舞台に、主人公の雀ゴロが麻雀打ちの猛者と高レートの勝負を繰り広げていく麻雀漫画、
主人公シンヤ、
歌舞伎町最強の打ち手である花田、
それらの人を中心にした高レートの世界の勝負と彼らの生き様を描いた作品です。


まあ作風的に言えば押川先生の漫画に近いでしょうか。
んで先にいいます。
はっきり言ってこの作品「お勧めしません」。

10巻続いたって事は、それなりに人気があったのかもしれない。
でも僕自身は全く面白いと思っていない。
連載開始したときに近代麻雀で3話くらい読んで挫折して、
今回のレビュー書くために頑張って読んでやっぱ挫折しました・・・

ただわざわざこの作品のレビューを書いたのには理由があって、
僕が「つまらない」と判断する理由をしっかり明記することで、
「面白い麻雀漫画に必要なエッセンス」もはっきり明記できると考えたからです。
※その為に、申し訳ないのですが当作品を酷評させていただきますm(_ _)m


んで理由は単純
「牌姿等の麻雀部分の作りこみが浅すぎるから。
例をあげたらきりがないですが、
僕がこの作品を読むのをやめたきっかけの一話をまず

123346789④⑤r西西西

シンヤ「ここから赤入りリャンメンを切ってくのは流石に道楽だろう。俺なら一通狙いを残して西切りだが、、、、」

( ゚Д゚)ハァ?

切ったことないっす西とか。
ピンズ切ってホンイツ行った方がまだましかと。
ご祝儀Pあるからおすすめしないですが。

ほかにもシンヤが八万点のぶっちぎりトップでオーラス親にてあがりやめしなかった時に、
まわりが「本気か?トップ目なんだぞ?」とかいうシーンもあります。
それに対して「ここ大事だと思うんで」とシンヤが汗かきながらカッコつけて言うシーン、
飲んでるお茶マジでふきました。「あんたら本気か?」と^^;
最初から最後までこんな感じの「やってる麻雀のレベルと設定してる世界観がかみ合ってない」って状態が続くんですね。
これで「麻雀の猛者達」とか言われても説得力0すぎるし、各人の戦略や思惑もひたすらに浅い戦いが続いていくわけで・・・

改めてこの作品を通して僕が感じた、言いたいことは一つ、
麻雀漫画において「麻雀部分のクオリティ」は「作品のクオリティ」にかなり直結する、
という事実
これをやっぱり読み手として伝えたいです。

この作品を読むと、
片山作品や押川作品がなぜあそこまで多くの麻雀ファンをひきつけているか、
良く解るのではないかと個人的には思います。
冒頭で書いたようにこの作品は押川作品に似ている部分が多いですが、
作りこみという点ではまったくもって及んでいないです。

逆に言えば押川作品はただのキャラ任せの一辺倒ではないです。
最近書かれている「麻雀小僧」や「レッツゴーなまけもの」を読むと、
作りこまれた牌姿が竹井やまー坊とかの凄さを非常にうまく引き立てている事が本当に良く解る。


いっそ「無駄ヅモなき改革」くらいに麻雀牌使う以外は麻雀無視する作品の方が僕は好きです。
とまあ批評ばっかり書きましたが、
10巻も続いた点考えるとファンもいたのだろうし、
「僕の目線がマイノリティなだけなのかも」と思わされた作品でありました。

2017年11月24日金曜日

「努力を続けてればいつか勝てる」というのは間違いだが、それでも続けているわけで

第42期最高位決定戦は村上淳さんの三度目の戴冠という形で決着した。
まあ正直に18回戦でもはや決着はついたかのような内容であったので、
19回戦、20回戦はまだ見ていないのだが、
おそらくは村上さんらしい緻密で安定した試合運びだったに違いない。
改めておめでとうございます。

https://twitter.com/saikouisen/status/933643256566489088

さて、
競技麻雀の「G1タイトル」「ビッグタイトル」の定義というのもあいまいといえばあいまいだが、
村上さんが2010年以降に獲得しているビッグタイトル数は現役選手の中でおそらくNo1だろう。
最高位3回、最高位Classic2回、第8回日本オープン、という成績だけでもすごすぎる。

ただ一方で、
その村上さんをもってしても初タイトル獲得には13年の歳月を費やしているという事実もある。

初めてとったビッグタイトルである「第8期日本オープン」、
周りの人たちから見てもその当時すでにトップ選手として業界に長くその名を知られていた村上さんは文句なく優勝候補本命だったし、
その場にいた改めて多くの人が「実力を考えれば遅すぎる初タイトル」と感じたと思う。

本人からもその悲願達成の喜びは随所にあふれていたし、
僕も優勝スピーチを聞いてちょっと泣きそうになった。
でも優勝した本人よりも圧倒的に号泣している坂本正志を見てドン引きして踏みとどまったがw

http://npm2001.com/nihonopen/8-nop.html

13年は長いといえば長い。
でも一方でこの業界に、実力を高く評価されながらも無冠の選手が数多くいることも考えると、
「本当に長いのか?」と聞かれりゃ僕には良く解らない。

若手の子たちとかは村上さんみたいな超トップ選手を見て、
「自分もAリーグ行きたい」「自分もタイトル取りたい」と考えるのは自然な思考なのだが、
「一生かけても取れない方が普通」だという事は覚悟しなきゃならないという点はちょっとここに書いときたい。
「あの村上さんですら13年」と考えてみてほしいわけだ^^;
特に協会の若手は松本とか江崎あたりを見て勘違いすると痛い目に(ry

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって
継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

将棋の羽生善治先生の名言
麻雀なんかにあてはめたら怒られるかもですがw
それでもまあやり続ける、それが競技なんでしょう。

しかし考えてみると、
村上さんは上記の2010年の初タイトルからの数年はすごい勢いでタイトルとり続けている。
そういえばRMUの阿部孝則さんも似たようにデビュー10年以上はタイトルに一切縁がなかったが、第2回日本オープン獲得後は鳳凰位3連覇を達成してたりする。
でも一方でRMUの河野高志さんみたいに、プロになる前からG1タイトル取って、プロになった後もとんとん拍子で昇級してタイトルを取り続ける人もいる。

「麻雀にガレナーがあるかはわからないが、競技選手の勝つ時期・負ける時期にはガレナーがある」
数年前に飲み会でふざけて言ったセリフなのだが、こうやって色々とみると案外ある!、、、のかもしれないw
タイトルっての結局は水物といえば水物なのだろう。
来年以降も村上さんのガレナーが続くんですかねえ^^

あっ、
ちなみに僕が村上さんの対局で一番感動したのは以下の記事にも書いた決勝です。まあ村上さん負けましたけどねw
興味のある方はどうぞ

http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/12/1-36.html

2017年11月22日水曜日

フリー麻雀での出来事 その3 高い手は安く見せ、安い手は高く見せる

38000点持ちのトップ目で迎えた東家南3局
2着目は北家で26000持ち
4巡目にして以下の形になった

一二二三三四六6發發北北中 ドラ一

マンズのホンイツに仕上げられれば決定打、
とかおもっていると北家が切る五
無論チー

一二二三三6發發北北中 五四六(チー) ドラ一

さてストレートに考えればここは6切りである。
相手への後々の危険度と、中を重ねた時の打点が12000確定となる点を考えて、だ。

だがここで考えたのは切り順についてだった。
自分の捨て牌はここまで「② ① 9 ⑧」

つまり他家三人からすると、
ここで6→中で切られると、もはやマンズの染め手濃厚な捨て牌となってくるが、
逆に中→6と切られると、クイタンの可能性等も残りホンイツとは見えにくい。
それを考えてあえて6を残すのも戦術である。

というわけで打中

一二二三三6發發北北 五四六(チー) ドラ一


6を引っ張れば引っ張るほど、相手から見てマンズ染め手の可能性は低く見える。
ベストは発ポンしての手出し6切り聴牌。マンズの警戒度をそれなりに下げられる。
「高い手は安く見えるように、かつ形を絞らせない」
「安い手は高く見えるように、形を絞らせる(こんな形だったら高いな、、と相手にイメージさせる)」

仕掛けの基本的な考えの1つ、まあ本当に基礎の基礎ですね。キリッ


んで、結果は

・直後の5巡目に北家が發切りリーチ
・ポンして6切ったら8000に放銃
でした




さ、先きりしておけば刺さらなかった(ーー;)

まあでも、4巡目だと個人的にはやっぱ6を一巡くらい引っ張りたいかな、この形は。
安全度より相手へのプレッシャーとして。

5巡目リーチとかめったにないし。
、、、今回あったけど。


戦略は攻撃と防御のバランス
手作りは打点とスピードのバランス
その細部にはさらに切り巡とか安全牌残しとか色々な要素もあるわけで、
結局手牌進行はそういった要素の「どれを取るか?」という考え方に基づく
結果は良い時も悪いときもある。

そんな事を思った一例でした。

「4巡目でこれがこんな悪い方向の結果になるとか相変わらず〇ソゲーだ」
とか全く思ってないんだからね!

(T_T)

2017年11月20日月曜日

「リベンジ」の誤用(人狼スリアロ村第63幕を振り返る)

※人狼スリアロ村第63幕3戦目のネタバレを含みます。


英単語のrevengeは「復讐」「仕返し」「恨みをはらす」「報復」というネガティブな意味なのだが、
何故か日本では、「再挑戦」「雪辱する」「借りを返す」といったポジティブな意味で使われたりする。

この言葉が世間で特に注目されたのは1999年、
当時、西武ライオンズに鳴物入りで入団したルーキー投手の松坂大輔が、
千葉ロッテマリーンズのエース黒木知宏と投げ合って敗北した際に「リベンジします」と宣言し、
その後同じく黒木と投げ合って勝利した熱き戦い、
これによりその「リベンジ」が流行語大賞に選ばれた事である。

僕も勝負の世界に片足の指先くらいを突っ込んでいる身として、
リベンジという思いを秘めている事象はいくつかある。

今までの競技人生で言えば、
10回以上僕の昇級を拒み続けたB2リーグの壁、
同じく10数回以上僕の決勝進出を拒み続けた準決勝の壁、
今年で言えば去年の雀竜位のリベンジとなる来月のB級、
そして今年のリベンジとなる来年のB1リーグ、
いくらでもある。


さてそんな中、
人狼スリアロ村について言えば大きく2つのリベンジ対象、言うなら壁が自分の中にはある。

僕が偽占いでCOしようが偽霊媒でCOしようが一切信用しない「白田みおの壁」
そして、本物霊媒でCOしようが偽物霊媒でCOしようが問答無用で初日結果を言えずに殺される「霊媒の壁」である。

昨日のスリアロ村3戦目の事だった。

僕が引いたカードは狂人、
人狼の3人をサポートしつつ、あわよくば自分自身が彼らの身代わりとなる従者のポジションである。

ちなみにこ直前の2戦目にて人狼を引いて偽占いCOをした結果、
将棋女流棋士の山口さんとの勝てるわけもない信頼勝負にて初日吊りされた僕は、
「今度は霊媒で出よう」
そう考えていた。

初日は特にCOせず、突入した2日目。(噛まれなかったことにほっと一息)
とりあえず霊だと名乗り出たら、占いCOをしていたケルヴィンが「武中進を占ったら人間でした」と言ってきた。

「いける」

一人しか名乗り出てない占いから人間である事が村に告げられる、
これはかなり大きな後押しである。

堂々と初日の霊結果(もちろん嘘)を言う。
これでとりあえず自分の一つの壁を超えた。

対抗の霊媒に原さんが出てきたが関係ない。
僕は少なくとも村目線では原さんよりは後回しに処刑するべきポジだ。

でも狂人として「念のために霊ロラをしたい。原さん処刑しましょう。」と主張しておく
狂人である自分からは人狼(ご主人様)はわからない。占い結果が出ていない人たち(グレー)を処刑対象にするとうっかりご主人を殺すことがある。
これは当然の策だ。

が、思ったよりもみんなグレーに行きたがった結果、
はなうさとかいう胡散臭い奴が処刑される。
「人狼じゃないだろうな・・・」
とかびくびくしながらも、
翌日に対抗霊媒の原さんが「はなうさは人間だった」と言っていてほっと一息。

そして翌日は占い師のケルが「瑞原さんを占ったら人狼だった」と発言。
ご主人だったか、、、
でもここでケルに歯向かうのは村人に疑われるしやむをえない。
大丈夫、瑞原さんがいなくなってもまだご主人は2人生きてる!勝てる!
心の中で謝りながら瑞原さんに投票。

対抗の原さんはなぜか僕に入れるとかよくわからん事している。
(なんだそりゃ、随分ぶれてるな。これなら明日原さんを処刑できそうだ。)
とか考えた。

なにより僕には”ケルヴィンの占い結果”という強い武器もある。
そして翌日、そんな僕の言葉通りに場は進行し、原さんは処刑される事になる。

「自信が確信に変わりました」

冒頭の松坂大輔のもう一つの名言。
入団会見時に「イチローさんを力でねじ伏せたい」と誓った18歳、
当時すでに5年連続首位打者として球界トップに君臨していた天才打者に対する挑戦、
その初対決にて3打席連続3振に相手を切って取って勝利投手となった後の言葉である。

今までさんざん初日結果を言えずに封殺された中それをはねのけ、
そして霊としての信頼度を勝ち取って狼陣営を勝利に導いている今の状態に、
まさにそんな高揚感を覚えていた。

そして夜のターンに行く直前だった、

GMのとよぴーが随分ともったいぶる。
(どっちの霊が本物でも終わらないんだし、はよ行こうや・・・・)
とか思っていたら、
「村の勝利です!」





一瞬何が起きたかわからず、
でもちょっと考えると真の霊媒はとっくに死んでて(初日に噛まれた谷)、
僕はご主人様である原さんとずっと殴り合っていたという点を把握する。
どうりで原さんの歯切れが悪かったわけだ(--;)


というわけで、
超えたかと思っていた霊媒の壁を実は全く超えていなかった、そんな僕の奮闘でありました。
、、、いや初日結果は言えたから、一応壁は超えたのか(ーー;)

そんなスリアロ村第63幕、
改めてご視聴いただいた方々ありがとうございます!
まだの方はTSを是非に!

久々に人狼日記書いてみた、
今後もネタがありゃもっと書きたいな。
スリアロ村の奴らの暴露話でも書こうかな・・・・

http://live.nicovideo.jp/watch/lv308494159
https://freshlive.tv/jinrou-ch/168379

2017年11月17日金曜日

麻雀人口増加にむけた大きな一歩

日本プロ麻雀連盟と、イオンの子会社であるイオンファンタジーが、健康麻雀の普及に向け、業務提携を結んだというニュースが、今週大きな話題になっている。

これは本当に凄いし、素晴らしい。
これを形にした森山さんの手腕は本当にさすがだと思う。こういった力については業界内に右に出る物はいないだろう。
まずはシニア層向けがメインになってくるだろうが、
若年層も含めた麻雀人口増加に向けて今後もぜひ拡大してほしい。

https://majan.co.jp/tonikkyoku/

あらためて麻雀って世間のイメージが決して良くないゲームである。
業界内の人にはこの「世間のイメージの悪さ」をあんま気づいてない人も多いけど、
サラリーマンやりながら麻雀プロやってると、世間一般との感覚の差を感じる事は多い。
ちなみに僕の場合、
「フリー雀壮によく行く」と行って「ものすごいギャンブル中毒者」みたいに会社の同僚に見られた事もあるし、
当時つきあってた彼女さんの親に「麻雀プロやってる」と言ったところ、凄い難色を示された事もある。
まあこれは極端な例だがw

差別意識って恐ろしい。
何が恐ろしいかって理由が無い点である。
それは小さいころから何となく見て聞いてきた潜在意識が示すレベルの拒否反応であって、簡単にはなくならない。

どうすればなくせるかといえば、
これはもう長い時間をかけて世代を重ねるしかないだろうし。

ちょっと前にこのブログで黒人人種差別についてちょっと書いた記事があって、
その中で黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンの映画「42 世界を変えた男」について触れた。

http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/04/blog-post_17.html

この映画の中では、
多くの白人がジャッキーに罵声を浴びせる姿が描かれている一方で、
彼のプレイに感動する白人の子供についても描かれている。

こういった子供が黒人差別を否定しながら大きくなって、
さらにその子供たちは小さいころから黒人と当たり前のように接して、
世代をかけて差別意識を淘汰していった。

凄いオーバーに言えば麻雀もそうなるべく、
我々はもっと多くの麻雀人口を増やして、
次の世代の子供たちが麻雀に差別意識なく大人になっていくのを目指す、
こういった種まきが今一番大事と思うわけです。
だからこそ、この手の活動は凄い応援したい。

僕自身は、
タレントやアイドルが麻雀プロを兼ねるのも結構賛成派。(NMBの麻雀番組が潰れなかったのは本当に嬉しい)
それだけで麻雀人口増加につながる。

女流プロについても業界にもっと増えてほしいと思う。
女性が増えれば男性もまた増えて結果多くの人が来てくれる、
この点については僕みたいな中堅男性プロにはできない大きな活躍をしてくれているわけで。

競技麻雀ファンが「女流」とか「麻雀以外の活動に力を入れてるプロ」に難色示すのはわかるが(というか僕も全く思うところがないわけじゃないし)、
ただそれらの人をたどって麻雀を知ってくれた人たちが、興味を削がれるような事をするのは本気で勘弁してほしい。
特に麻雀プロ関係者がそれをやるのは理解に苦しむ。(せめて陰口にしてくれ、と)

「入口がいかに大事か」という話である。
競技麻雀ファンって一回や二回のいやな体験があっても麻雀を嫌いにはならないけど、
新規ファンの方には全然あり得るわけで。

まあいつかは業界がもっと大きくなって、
普及役と選手が分離するのが理想なのかもしれないけど、まだまだ村社会だしね。

個人で言えば人狼に出る理由はそれが一番ですね。
樋口清香が人狼ファンに麻雀教えてるのとか、本当に素晴らしい活動だと思ってるし。

もっと多くの新規ファンが増えてほしいと思うわけだ。


あっ、でも最後に言うとですね、

僕は麻雀人口はもっと増えてほしいしと思ってるのですが、
実は競技麻雀人口は増えなくていいと思ってます。(減るべきとすら思ってる)

だって入口が簡単そうに見えるから勘違いする人多いけどひどくマニアックな世界なんだもん。
そのうえ今は数が多すぎるとすら思ってるし。

麻雀=競技麻雀じゃないし、
麻雀人口増加=競技麻雀人口増加じゃない。

私見ですけどね。
これについてはいつか別記事で書くかも。

2017年11月14日火曜日

ブログ開始から1年過ぎてもまだ達成されていない願い

当ブログを本格的に書き初めて、気付いたら1年以上過ぎていたらしい。(開設はもっと前だったが)
一つの区切りを突破した事はちょっと嬉しく思う。

この一年思えば緩い話も真面目な話も色々書いた。
書き始めた時から思ってたけど、やっぱ一年くらいは何の問題も無く書けた感がある。
「十数年麻雀プロと会社員やってきた自分だからこそ書ける事が幾つかあるかなあ」
とか思ってはじめたが、思いのほか書きたい事がいっぱいある事に、書けば書くほど気付いて、まだまだ書きたい事もある。

こう振り返ると自分の10年以上に及ぶ麻雀プロ生活ってそれなりに色々な事があったと実感できる^^

まあ一方で「いつかは書く事なくなるのかねえ」とか思わなくも無い。
作家の人とかが「書く事をストックする」といって旅行いったり取材にいったりする理由がちょっとだけわかった。
僕も「自分の中での麻雀プロとしてのストック」が無くなる事が最近ちょっと怖かったりもする。
・・・スケールがちがいすぎる悩みなんだろうがw

願わくば10年後も色々と「書く事がたくさんある」って状態を維持したい。
麻雀プロの皆様、セットとか飲みとか誘ってください!キリッ

まあ一方で人狼については「何も書けない自分」に出会った。
別に書こうと思えば書けるんだけど、「自分もしくは自分に近しい人でないと生み出せない」って読み物に出来る気がしない、って言うのが正確だろうか。

改めてこのブログで「俺麻雀バカなんだなあ・・・」とか気付かせてもらえた点も感謝である。






がしかし、
この1年たってもいまだに達成していない夢がある。

それは「炎上」である。

炎上って結構な宣伝になるって言うじゃないですか。
麻雀界でもたまに見かけるし、「当人は大変だろうなあ・・・・」とか思いつつも、
それでアクセス数稼げるかと思う、たまには燃えてほしいわけで。
このブログ書きはじめた時も、
「炎上すれば閲覧数増えそうだな。一回くらい起きないだろうか、、、、」
とか思っていた。

それを考慮して
書いている内容とかも結構一歩間違えたら炎上しそうなギリギリどころを攻めた”つもり”の物もある。

・・・が一回たりとも炎上しない。
僕が想像する以上に炎上させるのって難しいと、この数ヶ月で改めて実感した次第だ。
やっぱ世の中の人って他人にそこまで強い興味とか持ってないよねw

しかも僕はこのブログを書くにあたり自分の素性をほぼ全て公開しているので、
いきなりとんでもない反社会的な事を書いたり、
いきなりとんでもない動画あげたりできない。
「炎上した結果ブログと一緒に麻雀界から消えてなくなる」というのは避けねばならない事を考えても、
結局目標は「賛否両論あふれ出るギリギリラインの話題でネットにて取り上げられ拡散される」であり、
「上手に焼けました」位になってくるので中々うまくいかないのが現状だ。


しかしまあ、
世の中の有名人とかになると、
「数百万円寄付した」って写真つきで書いて炎上とかいう意味不明の出来事とかもあるよね。
あれ本気で炎上する理由がわかんなかったし。
結局炎上するにはもっと有名にならねば無理という事なんだろうか・・・・

最後に改めまして、
いつも記事をごらん頂きありがとうございます!
今後も緩く書いていこうかと思いますので。


そして3年目までには一回くらい炎上させる事を目標にします!キリッ

2017年11月12日日曜日

鈴木たろうの底知れない恐ろしさ (第16期雀王決定戦より)

第16期雀王決定戦は前回の日記でも取り上げた金 太賢が優勝、
4回目の挑戦にて悲願の雀王の称号をついに獲得、
最終日の内容も新王者に値する堂々たる物だったと思う。


そして敗れた3者もそれぞれの麻雀で存在感を示した最終日だった。
3日目に続きチャンスに恵まれない中、精度の高い堅実な麻雀でその実力を見せた田内、
「サボらない麻雀」をテーマに最後まで場をかき回し金を追い詰めた角谷、

そして鈴木たろう

今回の最終日、色々な局があったが、
どれか一つを取り上げるならやはりたろうがその高い雀力で解説陣や視聴者を驚愕させたこの一局を紹介したい

19回戦南2局
状況は以下の通り
点数ポイント
(~18回戦)
東家たろう1820029.6
南家角谷860044.5
西家田内24600-193.7
北家48600116.6

状況概要:
残り2半荘の中、首位の金がこの半荘も好調。
既に87Pをリードされているたろうが最終半荘に現実的な優勝条件を残すにはこの半荘の残り3局で約3万点差の金をまくる事が条件の中、迎えた南場の親番。

以下動画の6:12:00 頃
http://live.nicovideo.jp/watch/lv308282508
https://freshlive.tv/threearrows-ch/166752


ドラドラのタンヤオ手となったたろう、2つのポンを入れ9巡目にて以下の形となる。
四四⑥⑥⑦67 ドラ四 444(ポン) 888(ポン)

完全イーシャンテンのチャンス手(ソーズ5-8受けの8はポンしてはいるが)、
これを4000オールとすれば金との差は約14000点、まさに起死回生のチャンス手となっていた。

一方でたろうの上家だった金もこの動きを警戒しつつも、
自分の手牌、押し気味の角谷へのケア、そしてたろうの捨て牌がまだ必要牌を絞り込めるものでは無かった中、苦しい進行

そして10巡目、金の手牌が以下の通りになる
六八④④⑥⑦123455東 ツモ6 ドラ四


前巡に長考の末に7を切っている。そして東は唯一残っているたろうの役牌。
確実に鳴かれない1あたりを切る選択もあったが、ソーズが一番たろうには通りやすいであろう事実と自分の手がイーシャンテンという点を考慮して打5。

たろうこれをチーして絶好の聴牌

、、、となるはずだったが、これを平然とスルーしてツモ山に手を伸ばす姿がそこにあった。

実況の松嶋、そして解説の渋川と木原、全員が「鳴くに決まってる」と考えていただろうし、僕もそうだった。
何が起きたか意味が解らない中、その理由を考える
「トイトイを見てる?」
「怒りに我を忘れてる?」
どの理由もしっくりこない。

そしてしばらくした後に解説の木原が見解を述べる。
「金の切り出しが、7→5と出ている点と金のポイント状況を考えると5がトイツ落としの可能性が高いと読み、ここでドラの四を引けば金からの直撃がとれるかもしれない、と考えたのではないか」

後の打ち上げの席で改めてたろうにその理由を聞いたところ、全くもってその通りだったわけである。

直後に角谷からリーチが入るも、
たろうの読みどおりに金は2枚目の5をきり、それをチーして以下の聴牌。
たらればだが、もしもスルー直後のたろうのツモ山に⑤⑧や四がいたら、
本当に狙い通りの直撃5800や12000で金に肉薄していた事だろう。

四四⑥⑦ ドラ四 567(チー) 444(ポン) 888(ポン)

確かにタイトル戦決勝の最終盤、
ここで金にトップを取られれば事実上の終結、
そしてこの手を仮に4000オールと出来たとしても二の矢が必要になる状況を考えると、金から直撃を取れる絶好のチャンスと取れなくも無い。

ただ「この親を流されたらほぼ敗北」という状況でスルーという判断がそもそも下せるか。ましてや5-8受けの8は自分でポンしている。

状況に対する高い分析力、
金の動向や心理も計算した冷静な判断力、
このギリギリの状況で自分の読みに対して勝負をゆだねられる強靭なメンタル、
全てが備わってなければ出来ることじゃない。

これを平然と出来る彼の底知れない力にただただ戦慄を覚えた一局だった。

思えば10年前にたろうさんは協会に来て、数年後には既に協会トップに君臨していた。
多くの選手が「たろうに追いつけ追い越せ」と彼を目標にしてきた。
僕もたろうさんの麻雀を何度も見たし、たろうさんは質問を受けた時にはおしみなく自分の思考を披露してくれたりした。

この10年、自分が進歩を出来たという実感は自分の中で多少なりともある。

でも「ちょっとはたろうさんとの差が縮まったかな」という昨日までの自分の思い込みに対して、
「全然縮まってないよ。むしろ俺も進化した分で開いている。」とでも言われたかような気さえした。

僕がプロになってから、今まで何度もたろうさんの対局に感動を貰ってきた。

第15期麻雀最強戦におけるオーラスの四暗刻
2年前の第10回オータムチャンピオンシップ決勝最終戦において優勝を完全なものとした8タンキの9600
http://npm2001.com/autumn/10-aut.html

そして今年新たに途轍もない感動をもらい、
それと同時に「自分がこの領域にいけるなんて事があるんだろうか」
という恐ろしい不安を覚えた、そんな一日であった。

改めて選手の皆さんお疲れ様でした。
そして決勝を見てない方々、是非ともタイムシフトをお勧めします!

【追記】
今日の出来事
ワシ「って感じで19回戦の記事書いたんでよかったら読んでください。」
たろう「ありがとう。良く褒めてくれてるw、、、でもね」
ワシ「?」
たろう「チーテン取るとほぼツモ専になるって点も書いて欲しいかな。流石に3フーロだと待ち限定されるでしょ?だからあの状況の場合、聴牌とると実質4枚(⑥と四)ロスって感覚があって。
あと金・田内は俺の仕掛けに対応せざるを得ない点、そして角谷は打点を作らざるをえない点から、進行が遅い局になる可能性が高いと思ってのスルーした点もあってさ。」




僕ももっと頑張ります。ハイ。

2017年11月10日金曜日

第16期雀王決定戦がいよいよ終わる

第16期雀王決定戦の最終日(16回戦~20回戦)がいよいよ明日、
つまり今年もいよいよ協会No1が決まるわけである。

15回戦終了時のスコアは以下の通り。
鈴木たろう +129.3
金太賢 +31.6
田内翼 ▲81.6
角谷ヨウスケ ▲82.3

たろうがリードをしてはいるが、協会ルールともなると全然わからないポイント差、
実際に昨年、角谷はこれくらいの差を残り半荘2回でひっくり返しているわけだし。
ただまあ現状はたろうと金が優勝候補となっている。

放送ページは以下リンクをご参照ください。
ニコ生
Fresh!

さてちょっと今日は現在2位にいる金太賢(キムテヒョン)について書いてみようかと思う。

彼について触れるとなると、
まず思い出すのは11年前の第5期雀王戦B2リーグ

この年は協会全16期を振り返っても「史上最強のB2リーグ」と思われる恐ろしい期だった。
・最強位などの実績で既にトッププロとして認知されている中、他団体から鳴り物入りで協会に来た「鈴木たろう」
・入会2年にして雀竜位を2連覇、その革新的な打法と実績で協会若手の筆頭として既に認知されていた「小倉孝」
・若干20歳にてG1タイトル王位戦を獲得した「宮崎和樹」
・タイトルこそまだ無かった物の野口賞、新人王、最強戦にて実績を出している実力派「吉田光太」
というか10年たった今だからこそ、なおさら「凄かった」と思うような面々だった。
※ちなみに僕もひっそりとこのB2に参戦し、ひっそりと残留w

しかしこの期、
他者を寄せ付けない独走を続けたのは上記4名ではなく、
関西から来た全くの伏兵である若手、キムだったのである。
この時こそ多くの協会員が彼の存在を認知し始めた瞬間でもあっただろう。

その後彼はAリーグ昇級や野口賞受賞などの数々の功績をあげ、今や協会トッププロの一人となっている。
が、未だに雀王の栄冠には届いていない。

一番雀王に近かったのは第10期の決勝。
20回戦南場まで鈴木達也と強烈なデッドヒートを繰り広げ、一時はリードをするも
最後の最後に達也の才気に屈したかのように敗北した。

http://npm2001.com/jannou/kansenki/10-jannou-4.html

ちなみに普段の接客業をしている彼からは想像出来ない人がいるかもしれないが、競技の場で彼は基本的に多くを語らない。
人見知りなのか秘密主義者なのか、それとも実は私の事が嫌いなのかはしらないが(涙)、
ただ黙々と勝ち、そして負けた時も黙々としている。
それでもこの決勝で敗れた時の彼がどのような気持ちだったかは想像に難くない。
彼の今年にかける思いがかなり強いのも言うまでもないだろう。

でもまあキムと同様にたろうだって、
去年の競技人生最大の大逆転負けの雪辱、今年にかける思いは強いだろう。
何回も書いているが、たろうと親しい人の多くは「あんなに悔しそうな彼をはじめて見た」というレベルである。
ちなみにたろうについては遠い昔に書いた以下の記事をどうぞ。
まあ彼が優勝したらもうちょい何か書きますかねw

http://susumutakenaka.blogspot.com/2016/10/1.html

改めて今回の決勝のたろう vs キムの構図を見ると、
僕としては上記の5期雀王戦B2リーグを思い出してしまうわけである。
11年前に始まった2人の戦いが協会トップで続いているのだから中々に感慨深い。

というわけでそんな2人、
そして忘れちゃいけない田内・角谷、

4名の魂がこめられた最終日の戦い、僕も楽しみです。
皆様もご視聴是非是非^^

2017年11月8日水曜日

麻雀プロになったきっかけをくれたとある同級生

ちょっと前回の日記に続いて学生時代の話を書こうと思う。

僕が麻雀プロになり、日本プロ麻雀協会に入ったきっかけ、
まさにそのきっかけといえる一人の男としりあったのも青山学院だった。
協会第一期新人王であった「宇野達矢」という男である。

彼と初めて出会ったのは中学生の頃、
ゲーム好きの我々はなんとなくウマがあい仲良くなり、
高校の時に再度同じクラスになった際、ともに麻雀にのめりこむ事となった。

多くの同級生がいた中でも、彼と僕の嵌り具合は群を抜いており、
実際に僕がフリー雀荘にデビューした時も、
彼がいつものように「麻雀を打とう」と言って僕を誘い、
いきなりフリー雀荘に連れて行かされたのが原因だった。

あの時の「なんでいきなり知らない人と。。。。」と、激しく緊張しながらも必死で打った事は今でも良く覚えている。
まあ、三日後からは一人でフリーに行くようになってしまったがw

そんな彼は僕より1年半ほど早く麻雀プロの門戸をたたき、日本プロ麻雀協会で第一期の新人王となった。僕はそんな彼の誘いもあり、数ある団体から協会を受けて今にいたるのである。


思えば学生時代そして麻雀プロになる前、
僕の中で彼の立ち位置は特別だった。

当時は今のようにインターネットやSNS等もまだ未発展の時代、
麻雀を通して不特定多数の人と知り合うなんて容易ではなかったし、
戦術研究だって今より圧倒的に進歩してない時代だった。
麻雀について話が出来る場所も相手もたかが知れてた。
そんな中で彼は唯一麻雀についてまともな議論レベルの話をできた仲だったのである。

そしていきなり現在の話となるが、
彼とはもう10年近くまともな親交が無い。(何回かばったり会って挨拶くらいはしたが)
正確に言えば僕の方から疎遠になったのである。
今でも彼は年賀状をくれるが特には返信もしていない。

別に彼の事が嫌いになったわけではない、
疎遠になる直前に、軽い喧嘩もあったけど、数年前ならその後にすぐ仲直りしただろう。

疎遠になった理由は単純で
「麻雀についての話が合わなくなってしまった」
これだけである。
ビックリするくらいに単純だし、
はたから見れば「そんな事で長年の友人関係が疎遠になる事があるのか」とも思うだろうが、
僕の中では事実なのだから仕方が無い。

それは協会に入って数年経った頃だった。
僕は既に協会内に多くの知人がいたし(この頃から大浜・須田あたりとは交流が多かった)、
麻雀についてもそういった人と議論をしながら、色々と研究を続け麻雀づけの生活をしていた時期である。
一方彼は就職先の関係で協会を退会する。

長年のなじみであり「唯一学生時代から見てきた自分よりも麻雀バカな人間」が業界を去ることにちょっと驚いたが、
もともとが学生時代の幼馴染、彼が退会してからも数年はそれなりの親交もあった。

しかし徐々に徐々に彼と僕はウマがあわなくなっていき、最後には彼の麻雀の誘いを断ったのがきっかけとなり完全な疎遠となった。
しばらくした後に彼の事を思いだし、「何故こうなったのか」と理由を考えたとき、
僕らは10年以上、麻雀という媒体を通した会話ばかりをしていた事、
そしてそこに対してギャップが生まれた時に、徐々に関係に歪みが出ていた事、それを思い知ったのである。

その頃既に僕の周りには麻雀について多くを語れる友人がいた。
そして彼と僕の知識量はどんどん離れ、だんだん話もかみ合わなくなっていった。

別に彼の事が嫌いになったというより、
彼との人間関係を維持する努力をするのが億劫になってしまったという方が正確だ。
そしてちょっとした火種で破裂してしまったのである。


この事を思い出すと、
自分が異常だったのか、
彼が異常だったのか、
僕らの関係が異常だったのか、
別に良くある事なのか、
麻雀を通して築いてきた人間関係の根幹が無くなった時にこうなるのか、
とか色々と考えさせられる。

今まわりには麻雀業界を通して多くの知人・友人がいるが、
麻雀界や麻雀という媒体がもしもなくなったとしたら、コイツとどういう関係になるんだろう、
そんな恐れを僕の中に抱かせるエピソードでもあった。
「だから現役を続けている」と言われればそれは1つの解かもしれない。

彼がもしもtwitter等をやっていれば連絡も取れたが、
あまりそういったものが好みではないらしくネットにて姿を見た覚えも無い。
上記のそんな彼が毎年律儀にくれる年賀状にも、ものぐさな僕は特に返信もしていない。
我ながら薄情だw

学生時代、そして今の自分を振り返り、
思い出さずにはいられない彼の事を思い出して、
「来年もしも年賀状きたら返信しようかな。んで10年ぶりに飲みに行くかなあ。」
そんな事を思いながら学園のキャンパスを歩いたのであった。

2017年11月6日月曜日

学生時代ってやつをちょっと振り返った一日

2017年11月5日
たまたまその日に原宿の方で買い物をしたついでに、青山学院大学の文化祭にちょっと行ってきた。
僕が中学・高校・大学生活を送った母校である。


幾つかの建物が建替えされていた。 特に三年間を過ごした高等部が丸々建替えされていたのはちょっとびっくり。 まあただ一方で、自分が多くの時間を過ごした屋外プール等は20年たってもそのままだったことにも逆に驚いた。
、、、こう見えて自分は中学そして高校2年までは水泳部だったのであるw

ちなみに高校2年の時に部員の奴らと飲酒したことがばれてしまい、部は休部になった(^^;)
そしてその時以来、毎週末友人宅で徹夜で麻雀するような生活をするような生活が始まり、 さらにはフリー雀荘に通うようになって以来いよいよ麻雀漬けの日々を送るようになった事を良く覚えている。

この時に通った雀荘が渋谷のベガという店(今は閉店)であり、
店長は麻雀界初の女流プロとして知られる浦田和子さんだった。 ついでに言えばそこで木原浩一さんに20数年前に初めて出会ったりしたし、数年後に同店でバイトを始めたときに何人かの今でも麻雀界で交流のある方々と知り合った。

そして日本プロ麻雀協会に入ったのもこの時の高校時代の同級生が大きくかかわってくるのだが、それはまた別の話なので別の機会に。

さて、 近年の学園祭では色々な大学でちょくちょく麻雀サークルによるイベントがあったりする。
以下の麻雀ウォッチさんの特集にもある様に、
関東・関西・東北も含めて色々な大学が模擬雀荘をやって麻雀プロ等をゲストに呼んでいる。
こうやって若い子達が麻雀を堂々と楽しんでくれるのは本当に嬉しい限りだ。

https://mj-news.net/news/2017100477945

ちょっとこの日、
「我が母校にも麻雀関係の出し物とかないかなあ」とか思っていた。
昨年の正月に「大学対抗 麻雀駅伝」という番組がテレビ東京さんで行われていたのもあるし。

が、特に見つからず^^;
まあツイッターとか見てもらしきものはなかったので、予想通りではあったが。

麻雀サークルとかうちにも出来てほしいなあ、、
青山学院のOBには麻雀界で活動しているプロも自分を含め数人いるし(最高位戦の新井啓文、協会の 松本吉弘 等)、
何よりもサイバーエージェントの藤田晋社長がいるし、
そういった人達が力にもなれるかもしれない。
いつかそんな風に、母校つながりでの麻雀の絆が作れれば嬉しい、とか思った。

だが一方で数秒後に
自分の大学時代をふと思い出したのである。

以下記事で書いたのだが、
思えば自分は大学時代は「麻雀を辞めよう」と心に思って、
高校時代の麻雀友達とはまったく縁が無いところでの友人作りを試みていた。
理由は単純に「このまま10代、20代を麻雀だけやって潰すのはロクな事にならない」という不安だったw

http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/08/821.html

・・・・が、まあ、
大学4年時にはその新しい友人達が麻雀を覚え始めた影響でまたどっぷりになって、
大学5年時には日本プロ麻雀協会の門をたたいて、
卒業したらそれら友人とはほぼ疎遠になり、
結局はまあ麻雀から離れられない人生を送っているw

改めて、
自分が「麻雀辞めよう」と決意した年代時の若者に、
「もっと麻雀をやってほしい」と願うのも矛盾した話だ。
そう思いながらも、
「数年後には麻雀サークルが出来てますように。そこの若者達が麻雀を嗜んで、はまりすぎずに青春時代も楽しんでくれますように」

とかいう考えたのであったw

さらば母校
また来ます。

2017年11月4日土曜日

麻雀プロのネット対局についてのお話 その4

放送対局について、
競技選手間でもよく話題になる点として

「どの程度自分の手牌を数字どおりに並べるか、そして天地を揃えるか」
という点がある。

放送対局をする際には当然の話だが自分の手牌を映すカメラがセットされ、
多くの視聴者がそれを見ることになる。

その際に視聴者の目線に立って考えるのであれば、
牌は出来るかぎり数字の通りに1234,,,とマン・ピン・ソウ別に並んでいた方が好ましいし、
牌の上下も揃っていた方が良い、
これはまあ見る側の立場で考えると、至極当然の事である。

放送に出るプレイヤー間でも「出来る限りそろえるべきだ」という声は無論ある。
RMUの多井さんなんかは、特にこれを強く主張しているし、実際に対局でも実践している感がある。


ただプレイヤー側の都合による反対意見も無論ある。
「牌をきっちりと並べるのは相手に情報を与える可能性を多少なりともあげる行為」
この主張に基づいて並べないプレイヤーも多い。
各プレイヤーはあくまで自分の勝ちを求めてプレイをしている以上、これは自由権利ともいえるだろう。

僕自身も今までの自分を振り返ってみると、あまり丁寧に並べる方ではない。
「牌の並びくらい見る側にとってそんなに大きな負担じゃないだろ」と正直に思っていたのである。
まあ自分が見る分には全くストレスになっていなかった点が大きい。

ただ今日ちょっとした出来事があった。

今期の雀王決定戦をネットにて観戦していたところ、
麻雀のルールをほとんど知らない我が家の相方が、珍しく麻雀に興味を持って共に放送を見ていた。

そして改めてのルールの基本説明をして、各自の手牌をおって「4メンツ1雀頭」という概念を説明したのだが、

その中で相方がぼそっと一言
「たろうさんみたいにちゃんと数のとおりに並べて欲い」

実際に説明をしている僕としても。
「たろうさんが一番説明材料に使いやすい」と感じていた中での発言だった。

そして「並べなくても問題ないという感覚は僕みたいに麻雀に慣れている人の感覚何だなあ」という点を生まれて初めて強く感じたわけである。

僕等のやっていることが、
麻雀ってものや競技麻雀の普及って観点から考えるべきであるならば、
いままでの「理牌なんて最低限でいい。見ている人も大体わかる」って考えはちょっと間違ってるのかも、と。


2017年現在
私の知る限り少なくとも日本プロ麻雀協会では、
「放送対局中は絶対に牌を数字の並びどおりにそろえる」
という規定はない。

もしもこの決まりを作る決議が総会等で開かれたとしたら、
自分だったらどっちに入れるだろうか?
昨日までは間違いなく「反対」に入れていた。
でも今日は多分「賛成」に入れるだろう。

全体の結果がどうなるか、正直にわからないが、
「見ている人が麻雀に、競技麻雀に興味をもってくれる可能性を1%でも高める」
って事にちょっと意識を持とうと思ったわけであった。

・・・・まあぼくなんて、次に放送対局でれるチャンスがいつかか知らんが(ーー;)w

プレイヤーの皆さん、
観戦者の皆さん、
実際にこの点どう思うでしょうか?

まあいつか僕と会う機会等あったら是非ご意見いただければ幸いです^^

2017年11月1日水曜日

ネット麻雀とリアル麻雀 その2 ネット雀士の傾向について思う事

さて、
前回の続き
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/10/1.html

なお200%私見なので苦情は特に受け付けませんw

ネットの打ち手に結構多く見られる傾向だが、
一言で言えば「シンプルな進行を好む」という点である。
・シンプルな攻め:先手両面はリーチ
・シンプルな守り:点数状況的に放銃がダメならばほぼ全てオリる(安全度を読む、等はあまりしない)
・シンプルな押し引き : 先手即リー、後手ベタオリ

ちなみにこれは極めて効率的な戦略である。
というかリアル強豪も基本はそこまで大差はないだろう。
ただネット強豪の方が、それをより徹底する人が多いと思う。
曖昧な攻めや守りはあまりりしない。
シンプルな傾向がとても強いのだ。

何故か?
それはネットという環境がもたらす2つの背景があると個人的には思っている。


まず一つ目が「制限時間
ネット麻雀ではある程度の時間が経つと牌が自動的にきられるわけだ。
無論リアルではありえない。
普段フリーを打つ程度であればあまり意識に違いはないかもしれないが、
競技麻雀になれた人間というのは勝負所でかなりの長考をする事がある。

いやまあ「考えてるフリしてるだけの長考」をする人もいるし(本人に悪気はない)、
「長考したら良い一打が打てるわけではない」というのは事実だが、
それでも「どんな細かい情報でも拾い考え抜いた一打を打つ」というスタンスを持つ人は多い。

これに対して制限時間が加わっているネットの場合はそれが不可能であり、
そうなってくると「致命的ミスが出にくい選択を短時間に高精度にて実施する」という思考の元、
重要な要素を起点としてシンプルな思考・選択をするのが基本スタンスにならざるを得ない点があるわけだ。

そしてもう1つが「情報の欠落
ネット麻雀だけでなくネット人狼やネットポーカー、
というかこの世の全ての事象をPC等にてデジタル化する時、どうしても情報の欠落がおきてしまう。

たとえばデジタル写真や画像はどんなに綺麗であっても拡大すればドット絵だし、
MP3等の音楽は周波等を絞って実際の音楽の1/10程度の音質とも言われている。
それが気にならないのは「利用に差し支えない程度の欠落」だからである。

「麻雀」というゲームをデジタルゲームする場合もしかりで、
点数、牌の枚数、役、河といった基本かつ骨子の部分は確実に情報化しているが、どうしても細かい要素は欠落していく。

代表的なものはやはり打ち手の表情や小考等の細かい情報、
そういった総合的な判断材料が、やはり一部はかけてしまう。(まあ逆にラグなどの追加情報が一部発生もするが)

リアル麻雀には大~小までの判断要素が100個あるとしたら、
どうしたってネット麻雀はそれらの数が少なくなる。
つまり1つ1つの要素が持つ重要度は増す一方で要素数自体は少なくなる、
これがよりシンプルな進行の有効度を高めているわけである。


という事で、
制限時間や情報の欠落、
これらにより、ネットを主戦場としている人の麻雀は自覚の有無に関わらず多少なりともシンプルな物になっている、
と個人的には思うし、そんなに的は外れてないとも思う。

協会の天鳳出身の若手とか見ると、
「いい意味でも悪い意味でもドライでシンプルな進行」って思う事が多い。
ちなみに巷の打ち手はとにかく無駄に細かい情報や曖昧な情報ににとらわれすぎる人が多い、これも事実だと思う。

最後に
基本的にはだが、色々な理由で「ネット強豪の方がリアル強豪より平均レベルは高いかも」と個人的にはおもってたりする。

麻雀ってゲームは目の前に見えるシンプルな情報を遵守する方が勝ちやすし成績も安定しやすいゲームである。それを上記の通り色々な意味不明の理由で無視する人が本当に多い。
「科学する麻雀」が出たときに「手出しツモ切りはオール無視で良い」という意見があったが、
ぶっちゃけ巷のフリーで勝つというレベルであれば手出しツモ切りなんて見る必要性は無いとも思ったりする。正確に言えばそれ位に巷の打ち手というのは明確な情報というのを無視した理に疎い人が多いのだ。

正直に消費する体力とか、研究に使う労力を考えると、見ないほうがいいのかもしれない。

でも、
それでも麻雀プロは手出しツモ切りを見ようとする。(無論見てない人も結構多い。これは多分世間の想像よりはるかに多いだろう。)

なぜかと言われれば、
本当に麻雀を極めたいと考える人の思考アプローチは、世間の一般的な思考アプローチとは根本的な考え方が異なるからである。

まあ、ネットとリアルについてのお話はこれ位にしておこう。
後日の記事でこういった根本的な考え方の違いについてちょっと書く

予定