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2017年8月12日土曜日

麻雀漫画について書いてみる⑧ ノーマーク爆牌党

今日紹介するのは片山まさゆき先生の代表作の一つ、ノーマーク爆牌党
「麻雀漫画史上最高の傑作」
当作品をこう評価する麻雀プロは多い。



まあ言うなら
「オレたちの学年でバスケットをしていて武石中の三井寿を知らない奴はいなかったよ・・・」
という、かの名言と同じように
「オレたちの世代で麻雀プロをしていて片山先生のノーマーク爆牌党を知らない奴はいなかったよ・・・」
と言っても過言ではないくらいだ。

この作品の主な魅力は以下の通り
・骨太な麻雀理論に則ったリアルで緻密な闘牌、
・魅力的なキャラクター達
・所々のギャグ要素

まさに片山先生の作品を象徴する作りとなっているわけだが、
先生が本格麻雀漫画を書くようになったのもこの作品が特に大きなきっかけと言われている。

これ以前の先生の漫画はどちらかというギャク色が強いものが多かった中、当作品も開始当初はギャグ路線の物だった。
だが先生曰く『見切り発進』のまま本格的麻雀漫画として話を進めていき、
その結果として、
絶対的な王者である爆岡、
その打倒を目指す鉄壁、
そして茶柱・八崎らサブキャラクターも織り交ぜた本格的麻雀漫画となり、
結果不動の人気を得る名作へと昇華していったのである。

そして前述の通りその作品構成は後の先生の作風にも大きな影響をあたえる事になった、らしい^^;


さて本作の最大の特徴は現在にいたるまでの全麻雀漫画を見ても並ぶ物がないレベルの立体的かつ緻密な闘牌構成にある。

タイトルにもある「爆牌」、
これは主人公の爆岡が使う相手を操る打牌(意図的にチー・ポンをさせて当たり牌を引き出す)の名称であり、その必殺技の性質上、当漫画は非常に緻密な牌姿構成(それも卓上の4人全員分)が描かれている。

麻雀ライターのバビィこと馬場さんらが全面協力し麻雀を打ちながら描いていたとの事だが、とにかく凄い。
「よくこんな物が作れたな・・・」と思うくらいに徹底的に作りこまれた牌姿となっている。

また麻雀プロについて描かれた作品ゆえにタイトル戦決勝のようなポイント状況推移を踏まえての闘いが描かれているが、上述の牌姿も踏まえてもう「こんな作品二度と出てこないんじゃなかろうか」というレベルの緻密さなのだ。

読めば読むほどその凄さがわかるし、
多くの麻雀プロがこの作品を愛してやまない最大の理由だろう。

まあ一つ言うなら、
あまりにも緻密なこれらの設定ゆえ、この作品を正確に理解するには高い麻雀スキルが要求される点だけはご注意を^^

ただそれを差し引いても、先述の爆岡・鉄壁・茶柱・八崎といった魅力的なキャラクター達とその戦いだけで十分に楽しめる内容となっている。

そして最後に、
主人公爆岡はその絶対的な強さを誇示し続ける一方で、自分の考えを最後まで明確に語る事はなかった。爆牌というすさまじい必殺技で連勝を続けながらも、その技の真相全ては結局語られない。また彼の心情(負ける事への恐怖など)も語られる事はない。

そういった真相の一部が読者にゆだねられたまま終了する点も、多くのファンを魅了した要因の一つだろう。

個人的に一番好きなキャラは鉄壁か八崎。ベタですかねw

読んだ事ない人、
特に麻雀プロの人には徹底的にお勧めしとく作品であります。