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2017年11月27日月曜日

麻雀漫画について書いてみる⑩ 鉄火場のシン

今日紹介するのは「鉄火場のシン」
バブル崩壊後の歌舞伎町を舞台に、主人公の雀ゴロが麻雀打ちの猛者と高レートの勝負を繰り広げていく麻雀漫画、
主人公シンヤ、
歌舞伎町最強の打ち手である花田、
それらの人を中心にした高レートの世界の勝負と彼らの生き様を描いた作品です。


まあ作風的に言えば押川先生の漫画に近いでしょうか。
んで先にいいます。
はっきり言ってこの作品「お勧めしません」。

10巻続いたって事は、それなりに人気があったのかもしれない。
でも僕自身は全く面白いと思っていない。
連載開始したときに近代麻雀で3話くらい読んで挫折して、
今回のレビュー書くために頑張って読んでやっぱ挫折しました・・・

ただわざわざこの作品のレビューを書いたのには理由があって、
僕が「つまらない」と判断する理由をしっかり明記することで、
「面白い麻雀漫画に必要なエッセンス」もはっきり明記できると考えたからです。
※その為に、申し訳ないのですが当作品を酷評させていただきますm(_ _)m


んで理由は単純
「牌姿等の麻雀部分の作りこみが浅すぎるから。
例をあげたらきりがないですが、
僕がこの作品を読むのをやめたきっかけの一話をまず

123346789④⑤r西西西

シンヤ「ここから赤入りリャンメンを切ってくのは流石に道楽だろう。俺なら一通狙いを残して西切りだが、、、、」

( ゚Д゚)ハァ?

切ったことないっす西とか。
ピンズ切ってホンイツ行った方がまだましかと。
ご祝儀Pあるからおすすめしないですが。

ほかにもシンヤが八万点のぶっちぎりトップでオーラス親にてあがりやめしなかった時に、
まわりが「本気か?トップ目なんだぞ?」とかいうシーンもあります。
それに対して「ここ大事だと思うんで」とシンヤが汗かきながらカッコつけて言うシーン、
飲んでるお茶マジでふきました。「あんたら本気か?」と^^;
最初から最後までこんな感じの「やってる麻雀のレベルと設定してる世界観がかみ合ってない」って状態が続くんですね。
これで「麻雀の猛者達」とか言われても説得力0すぎるし、各人の戦略や思惑もひたすらに浅い戦いが続いていくわけで・・・

改めてこの作品を通して僕が感じた、言いたいことは一つ、
麻雀漫画において「麻雀部分のクオリティ」は「作品のクオリティ」にかなり直結する、
という事実
これをやっぱり読み手として伝えたいです。

この作品を読むと、
片山作品や押川作品がなぜあそこまで多くの麻雀ファンをひきつけているか、
良く解るのではないかと個人的には思います。
冒頭で書いたようにこの作品は押川作品に似ている部分が多いですが、
作りこみという点ではまったくもって及んでいないです。

逆に言えば押川作品はただのキャラ任せの一辺倒ではないです。
最近書かれている「麻雀小僧」や「レッツゴーなまけもの」を読むと、
作りこまれた牌姿が竹井やまー坊とかの凄さを非常にうまく引き立てている事が本当に良く解る。


いっそ「無駄ヅモなき改革」くらいに麻雀牌使う以外は麻雀無視する作品の方が僕は好きです。
とまあ批評ばっかり書きましたが、
10巻も続いた点考えるとファンもいたのだろうし、
「僕の目線がマイノリティなだけなのかも」と思わされた作品でありました。