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2017年10月2日月曜日

「勝負を決める決定打」がそこにはある、ところがそれでもまだ決まらない事も多々ある

「決勝の最終日には、勝負を決めるアガりがある。」
第十期雀竜位決定戦の観戦記で協会現Aリーグの橘哲也が書いた一節である。
http://npm2001.com/janryu/10-janryu/10janryu_3.html

この観戦記の中では
第10期雀王決定戦・鈴木 達也のペンチャンとカンチャンのツモ
第10期女流雀王決定戦・大崎 初音のタンピン三色に6000オール
第9期雀竜位決定戦・内海 元の三倍満に48000直撃
そしてこの決勝で仲林があがった6000オール、
これらが触れられている。

近年の決勝を見ても印象深い「決定打」は山ほどある。
まあ僕が近年特に良く覚えてるのは、先期女流雀王決定戦の最終半荘

愛内よしえが起死回生となりうる高目ツモハネマンのリーチを打ち、
二二三三四八八⑥⑦⑧333 ドラ二

これに13巡目に朝倉が追っかけリーチをして一発ツモ
二三③④⑤⑦⑧⑨44567 一発ツモ 四 ドラ 二中 裏ドラ 7①

愛内が全身全霊で探し求めた牌を朝倉が引いた瞬間、
誰の目にも明らかな「決定打」だった。
http://npm2001.com/joryu/15-joryu/15-joryu3.html

麻雀の神様が用意した結末、
そんな事を思われるようなアガリってやつが競技麻雀には多々存在する。





ところが、
そこで勝負が決まらない事が多々あるのもまた競技麻雀である。

「これで決まった」という局面、
打ち手の技術と決意と信念、それらが生み出した決め手、
そんな「決定打」がさらに覆された場面も、同じように今まで何度も見てきた


第6期雀王決定戦
五十嵐代表の5800直撃により決まったかに見えた勝負を捲くり返した鈴木達也の4000-8000

第23期麻雀マスターズ
和久津晶の放ったと思われた決定打、その直後に生まれた西島のチンイツによる逆転勝利

近年の決勝でいったら、
第14期日本オープンの決勝が特に印象的だった。

最終戦南3局
トータルトップ目の小山直樹(最高位戦)が、
追いすがるトータル2位であり親番の山口大和(連盟)のリーチに対し、無スジの8や九を切って真っ向勝負に向かった場面、
退却という選択もあった中でも、小山は全身全霊で立ち向かい山口の決め手をかわしきった。
改心のピンフ和了により山口の親は流れ、
小山は「オーラス一局勝負のハネマンツモ条件」という制約を山口に突きつける。
大多数のギャラリーが「後は待つだけ」と思ったし、「小山の決断が勝因」とも思っただろう。
数分後のまさかの大逆転、「勝因」「敗因」ってヤツをなんとも言葉にしがたい結末だった。
http://npm2001.com/nihonopen/14-nop.html

さて、
昨日の女流最高位決定戦、
6回戦南4局にてまさに「勝負を決めたかと思ったアガリ」があった。

2人の本手先行リーチをかいくぐり、
親の大澤が乾坤一擲の4000オール
888④⑤⑦⑦ 666(ポン) 六四五(チー) ツモ③ ドラ8

このアガリを見た瞬間に、
同卓者3人(特に目下ライバル目の西嶋)の心が折れる「ボキッ」って音が聞こえた様に思ったのは僕だけでは無かっただろう。
周り3人としては南4局までは大澤をラスに封殺できてただけに尚更である。

2軒リーチにもひるまずにここを勝負所と見定め立ち向かい
結果それをかいくぐっての会心の和了、大きく開いたリード
「とりあえず7回戦終わったら大澤に祝福のライン送るか」くらいに考えてしまった。

現実は小説よりも奇なり
数時間後にトロフィーを抱えている西嶋を見て、
「勝因は何か」
「敗因は何か」
と探ったが、やはり言葉にしがたかった。

麻雀に神様っているんですかね?
いるとしたらそれは女神、こんな気まぐれな結末を頻繁に用意するじゃじゃ馬は女性に決まってる。
僕の昔からの持論でありますw

さてちょっと「決勝」ってヤツについて思った事がもう1つあったのだが、
長くなったので次の記事に続く (間に違う記事挟むかもだけどw)


がその前に改めて、

西嶋千春さん、
第17期女流最高位おめでとうございます!
最後まで諦めずコツコツと出来る事をやる、その執念が実った素晴らしい内容でした!