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2017年6月14日水曜日

私見にともなう麻雀プロ紹介その8:仲林圭

日本プロ野球において一番凄い打者といえば誰か?
まあ色々な候補が挙がるだろうが恐らく結論は出ないだろうw

それでもその1位を争うと思われる打者の中に
王貞治
イチロー

この名前は絶対にあがるだろう。
日本の野球史にその名を深く刻んでいる両者、
まさに「打者がめざすべき頂点」と言える存在である。
ところがこの両者の打撃フォームは極めて特殊な事で知られている。


王貞治の一本足打法は打撃の神様こと川上氏に酷評され、
イチローの振り子打法は日本野球史上屈指の打撃コーチとして名高い山内氏に否定され一軍昇格を見送られた逸話があるほどだ。

つまり二人は大打者なのだが、そのフォームは「普通から外れた常識外」であり教科書どおりではない、つまり「真似してはいけない選手」なのである。


頂点に立っているのにお手本ではないと考えると違和感があるかもしれないが、別にこれはどんな業界でも珍しいことではないのだ。

競技選手はいつだって「一番」を目指して鍛錬をしている。
そしてその為にまず基礎=中核となる王道、を学ぶ。
しかしある程度経験をつみ技術を磨いた後、独自の道を探し出して更なる高さを目指す、その中で王道とは外れた「邪道」になる。
それはまるで木の枝のように、多くの部分は中心幹にそってのびていくが、最後の最後で枝分かれして、結果として中心部よりも高くなり「一番高い部分」となるのである。
一流とよばれる人には往々としてこういった常識外れの部分が存在している、そのケースが多いだろう。

さて、ここでようやく本日の紹介選手仲林圭の話に入ろう。


http://mj-news.net/mjpro/pd/2015092922579


とみせかけてその前に元広島東洋カープの天才バッター前田智徳の話をちょっとだけw

前田は度重なる怪我に泣かされながらも24年間の現役を通して2000本安打の記録を達成した名打者である。怪我さえなければもっと物凄い記録をたたき出した可能性もある「悲運の天才」だ。
そして彼のフォームは上述の王・イチローとは真逆、極めて「普通」として知られていた。
基本に基本を重ねた何にも特徴がない、誰にも到達できない「境地」といえるフォーム、
あのイチローや落合が「前田のフォームを参考にしろ」と言ったほどの理想の型である。

そして僕がもしも今の麻雀界でその前田のような「理想的な型の選手」をあげるとしたら、この仲林となるわけだ。
彼の打ち方は全く癖が無い。
正確なロジック、対人を意識したアナログ戦術、冷静な判断力、
全てを兼ね備えしかも最適のバランスでそれらを中和させたまさに理想と言える打ち方であり、
これは鈴木たろうや鈴木達也でも到達していない境地の一つではないかとさえ見える。
僕は後輩に「強くなりたいなら仲林の麻雀を見ろ」と言う事が多い。

多くの若手は「強くなる為に強い打ち手の麻雀を学びたい」と考える時、 上述の「最後の部分の枝分かれ」=「邪道な部分」に目を向けてしまう事が多い。
だが人が成長するときにまず知らなければならないのは物事の根幹となる「王道」である。 それは極めて効率的かつ効果が高い、勝つための常套手段だからだ。
これを知るには彼の麻雀はうってつけであり「教科書」と呼ぶにふさわしい。

彼は僕の5年後輩(第七期生)として協会に入ったが、その時から既に実力とセンスの高さは郡を抜いていた。
第十期の雀竜位決定戦、僕は彼の決勝15半荘を採譜したが、そのあまりのクオリティの高い内容に眩暈がしたほどである。
そしてその後にもオータムCSの獲得、そしてAリーグ昇級を果たし今や協会最強候補の一人と言える存在になっている打ち手だろう。
協会に入って何人もの打ち手を見てきたが、「天才」と呼べるクラスのクオリティを持た後輩は、今のところ小倉・渋川そして彼くらいしか見ていない。

というわけでもしも彼の事を良く知らない方がいたら、
是非とも協会の公式対局放送等をご覧ください。
新たな協会の最強候補を目の当たりに出来ると思いますので^^


さて、なんかあまりにも褒めすぎている記事なのでこのまま終わると気持ち悪い。
というわけで仲林のおまけ情報
麻雀についてはそんな絶妙のパーフェクトバランスを誇る彼だが、
プライベート(というか恋愛)については「押してダメならもっと押せ!」という名言(迷言?)を残しているほどの超攻撃型ファイターである。

・・・・いやまあ恋愛事ってそれくらいの方が最適バランスなのかもな、うん。
実際彼は結構モテます。20代の時は大浜クラスのチャラ男でした。元嫁もそりゃもう美人でした。離婚してしまった時はちょっと切なかったです。
今は多分落ち着いてる。多分。

おしまい