2017年3月25日土曜日

タイトル決勝戦の変化について (ついでに第15期日本オープン決勝について)

数年前までタイトル戦の決勝に生放送というものはなかった。
どこかしらの雀荘で対局者と記録係、
そして大勢のギャラリーとともに行われていた。

無論ギャラリーが勝負に何かしらの影響を与えるのは許されない話であり、
人々は能面のように静かに勝負の行く末を見守る事を義務付けられていた。
それでも各局の決着の際にギャラリーが声を殺しきれずに生じるどよめき、
各半荘間での会話、
そして勝負がいよいよ佳境にはいった際の静寂、
「決勝独特の雰囲気」というものがそこにはあった。

生放送が普及して僕を含めた多くの人は自宅でご飯を食べながらゆっくり観戦ができるようになった。
会場生観戦のように立ちっぱなしではないし、
何より4人の手をすべて同時に確認できる(現場観戦だと立ち居地をコロコロ変える事はNGなので全員の手は見れない)、
なんとも便利な時代になったと思う反面、
あの独特の空気を味わえなくなったの少々寂しい面もある。

特に先述の「勝負が佳境に入った瞬間の緊張感」、僕はこれがたまらなく好きだった。
2時間前までは半荘の合間に談笑していた対局者達がいよいよ会話をしなくなり、
その空気を察してまわりも会話をしなくなる、
場の空気が一気に変わる瞬間が確かにそこにあった。


生放送が出来るまで、決勝観戦というのは麻雀の内容はもちろんその空気を味わうところまで含めて楽しむ物だった。

そして選手として決勝に進出した場合の緊張感も若干異なる物となったと感じる。
近年の放送はより多くの人の目に触れる一方で、会場には関係者以外がいない。
人数は少なくても現場で生観戦者から受けるプレッシャーとどちらがきついかというのは人によるだろう。

個人的には、昔の現場に多くのギャラリーを抱えていた時の方が緊張したかなあ、と思ったりもする。特に超有名プロとかに後ろに立たれると多少なりとものプレッシャーを感じた物だった。僕も人間なのでw

先日の雀竜位決定戦最終日の放送を見ていて、
「さぞかし今現場はピリついているだろうなあ」と考えながら、
その空気を現場で味わってみたかった、とかちょっと思ったのでありました。

さてそして、
去年まで麻雀界のGIタイトルでも唯一決勝生放送が無かった大会、
協会主催の日本オープンも今年からいよいよ決勝生放送になる。
これでいよいよ「現場の臨場感」を感じれなくなるのだなあ、とちょっとだけ寂しい気持ちもあるが、家でゆっくり今年の勝負も見せてもらえるのは有難くもある。

明日行われる決勝のメンバーは、
石立岳大プロ(プロ連盟)
桑原俊之さん
渋川難波プロ(プロ協会)
小倉孝プロ(プロ協会)

個人的にはやはり小倉・渋川の対決が非常に楽しみだ。
以前に小倉について記事を書いた事があるが、
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/11/3.html

この文中で小倉の事を「今までも僕が協会で見てきた中でもNo.1の天才」と称する一方、
「それに匹敵するとしたら渋川か仲林」と書いた。

協会の元祖天才と本家天才の対決、期待せずにはいられない^^

https://freshlive.tv/threearrows-ch/96397
http://live.nicovideo.jp/watch/lv293340342

2017年3月24日金曜日

四神降臨2017王座決定戦 : ついでに王座戦の思い出とか書いてみる

毎年恒例、
スリアロチャンネルがこの時期にお届けする各団体リーグ王者の頂上決戦、
「四神降臨2017王座決定戦」が本日3月24日(金)17時より放送となる。

対局者は以下四名
・近藤誠一(最高位戦日本プロ麻雀協会・第41期最高位)
・忍田幸夫(麻将連合・第14期将王)
・角谷ヨウスケ(日本プロ麻雀協会・第15期雀王)
・多井隆晴(RMU・第8期RMUリーグチャンピオン)

【PV】
http://www.nicovideo.jp/watch/1489917671


まあ注目はやはり我が団体の新王者である角谷ヨウスケかと。
僕は麻雀番組「ハイステ!」等で彼の麻雀を何回も見ているが、
常人には考えられない押し引きや手牌進行から彼を「進撃の角谷」と呼んだりしている。

「普通だったら静観する局面なんですが、打ってるのが角谷さんなだけにどんな奇行に走るかちょっと読めないです」とか解説した覚えもある^^;

そんな角谷が麻雀界を代表する名手3人にどのように戦いを挑むのか?
結構楽しみにしている。

さてさて、
角谷については来期リーグ戦とかで別記事にてもうちょっと細かくふれる事もあるかと思うので、
他三方にちょっと目を向けてみようかと。

僕が三方の中で一番しゃべった回数が多いのは考えるまでも無く多井さんだが(いやもう本当に考えるまでも無くw)、
一方で一番最初にお話させて頂いたのは忍田さんだった。

僕がプロになって3年目の「第31期 王座戦」の時の事でもう10年以上前になるが、僕の中では結構印象に残っている。間違いなくご本人は全く覚えていないと思われるが^^;
今日はその時の事をちょっと書こうかと。

「王座戦」と聞くと、知らない若手が結構多いと思う。
残念ながら数年前に大会自体が開かれなくなってしまっているが、30期以上に渡って行われていた由緒正しきタイトル戦であり、僕もプロになって最初の数年は毎年参加していた。
※鈴木たろう大先生もたしか獲得している。

そしてこの王座戦、
「一発裏ドラなし」「ノーテン罰符なし」「ウマ・オカなしの素点勝負」というルールだった。

当時はまだ最高位戦クラッシックが創設されておらず、「ノーテン罰符なし」というルールはこの大会だけだった。
そしてある程度経験した人は解る事かと思うが、「一発・裏」よりも「ノーテン罰符」の有無の方がゲーム全体のバランスに与える影響はかなり大きい。
「和了しなければ100点すらもらえない」という枷はやり続けると予想以上に大きさがわかり、また他家の進行も大きな変化が出るのである。僕も競技はじめて最初に「ルール変化への対応力が競技選手には必須」と強く思ったのがこの大会だった。

さて当時、この協会ルールとかけ離れたバランスが必要になる大会を前に、協会で内部勉強会が開催されたりもした。
が、そこで僕をはじめとした若手数人は、当時の先輩と結構揉めたのである。

「リーチは基本的に損。役があるなら必ずダマテンにするべき」
これが当時の王座戦ルールの定石だった。

このルールは和了しなければ点棒が100点たりとも増えない。つまりリーチをかければ全員が退却し、流局すれば自分だけが1000点マイナスを負う事態が発生しうる。
よって役ありリーチ = 悪手という考えは当事強く主張されていた。
かの有名な麻雀漫画「ノーマーク爆牌党」にもこの点は書かれており、まさにダマテンが基本であり王道として信じられていたのである。

私「ピンフドラ2とかあがった時のリターンの大きさを考えるとダマとかむしろ非効率的じゃないですかね?」
先輩「だったらリーチしてろ。そして負けてりゃいいだろ。」
・・・・勉強会にてこんなやり取りを繰り返し、「なんだかなあ」と思いつつも参加した王座戦、その中で忍田さんと対戦したのである。
無論当事から既にMUの第一人者の一人であった忍田さんの事を私は知っていたし、同卓出来た事を嬉しくも思った。

そして対局後の酒の席で改めてご挨拶をした時に、先述の勉強会の話を少々してみたのである。

私「このルールでリーチってそんなに損ですかね?先日も協会の先輩にさんざん怒られまして^^;」
忍田さん「僕は全くそんな事考えた事ないです。むしろ皆さん消極的過ぎて戸惑いますね。おとなしくしていれば勝てるゲームでもないのに。。。研究してますか?と言いたいです。」

これ位のキャリアを持つ著名な方が旧来セオリーをはっきり否定する姿が個人的にはとても印象的だった。
前週の勉強会があまりに不満だったのもあり、
物凄い失礼な話なのだが質問する時私は「また根拠の薄い理論とセオリーを語られるのかな、、」
と考えていたくらいである。

「自分もこの先どんなに長く選手をやっても常に研究の姿勢を持たなきゃな」と思い、印象的な一日だった。

それから数年後、
四神降臨王座決定戦にて忍田さんの麻雀を改めて拝見する事になる。
一緒に見ていた協会員達が「まったくもってMUっぽくない攻撃的スタイル」と言っていたが、僕としては既述の出来事があっただけにそこまで意外ではなかった。
まあ想像以上の攻めっぷりだったが^^;

PVでもある様に、鈴木たろうをもって「クレイジー」と評するそのスタイル
今回もどんな麻雀を見せていただけるのかが個人的には楽しみである。

さて改めて、
放送URLは以下の通りです。
皆様宜しければTS・ご視聴を是非^^

https://freshlive.tv/threearrows-ch/96442
http://live.nicovideo.jp/watch/lv293349246

2017年3月22日水曜日

よそ見ダメ絶対

ボクシング漫画の金字塔として知られる名作「はじめの一歩」、 この漫画の登場人物の一人である青木勝の必殺技に「よそ見」がある。



まあリング上でその通りによそ見して、相手がつられてよそ見した瞬間にパンチを打ち込むという本気なのだがギャグなのだが良くわからない技である。
そもそもよそ見した瞬間に相手がつられずいきなりぶん殴られてKOとかないんだろうか・・・・
まあそのリスクがあるからこそ相手もつられ易い”恐ろしい技”と作品中では形容されているが。

だが実はこれ、日本ボクシング史上に名を残す名チャンピオン輪島功一さんが現役時代に実行していた技らしい。
伝説のチャンピオンがやっていたとなると、それなりの効果がありそうだし、何だがいきなり凄い技に思えてきてしまう・・・・


さていきなり話を変えよう。

二週間ほど前のフリー雀荘でのことだった。
南2局、点棒状況としては大体以下の通りであった。

東家 5000
南家 45000
西家(私) 35000
北家 15000

7巡目を過ぎた時私の手は以下の通り、
二三四六七④⑤⑥⑥⑦3388 ドラ⑥

まあ考えるまでも無くソーズの雀頭のどちらか落とし、
ちょっと場を見て打8とした。

するとその直後にトップ目の南家がいきなりのツモ切りリーチ。
「はってたのか・・・」と思いつつ、
まあ点棒状況的に良形ダマはあっても役なしからのリーチだろう、
当たる可能性もかなり低いし当たってもリーチのみだろう、と先ほど切った8のもう一枚を切った。
ところがその瞬間に南家の「ロン」という発声と共に手牌が開かれる。

一一12345667③④⑤赤 ドラ⑥ 裏2

一発裏で8000点の祝儀3p。
前巡に2000点の祝儀1pだったのをスルーしてのこのあがりである。

一瞬、
本当に何が起きたか解らなかった。

たしかにこういったツモ切りリーチを戦略上する時はある。しかしこの形はとてもそれが有効な形ではない。
しかも良形役無しからのスルーならまだしも、ピンフがついている形、さらに今回点棒的にも南家がこの手をダマにする事はあっても見逃す意味はほとんどない。
フリー雀荘において他の人の打牌理由なんて全部は信用していないが、それにしたってこれは考えられない事態だった。

そして頭の中でこの見逃しの理由を必死で探した。
トイツ落しが見えた?
いや見せてない。自分の手牌を相手に見せない点はいつもかなり気を使っているし、並びからも読めないはず。
そして100%の確信がないかぎり見逃せない局面のはず。
まさかガン牌でもされてるんじゃ・・・・・・

何故だ



そして数秒後、その疑問が氷解した。

ワシ「そういえばこの人さっきまで携帯いじりながら麻雀やってたな・・・・

つまり推察するに、
この人携帯いじってたがためにうっかり私の一枚目の8をスルーしてしまい、
仕方ないからツモ切りリーチかけて一発で私がハマったという訳である。





そんな理由でここまで点数と祝儀pを余計に払わせられるとか(--;)
ク●ゲーにも程があるでしょちょっと(--;)
精神的にかかったのもあり、この半荘は北家にもまくられ3着でおわる。

そしてこの半荘から先の10回、
3444333434とかいう10連続逆連帯の奇跡が始まるのでありました。

改めて皆さん、
麻雀中のよそ見ダメ絶対

(´;ω;`)ブワッ